第217話 レプリカとオリジナル
レプリカでは舞には勝てないことは目の前で見て居た優菜は理解出来ていた。優菜は舞に近づく。レプリカが殺られた所を見ていた優菜は舞の攻撃を受ければどうなるかは見ていた為優菜は理解出来ているが、優菜は躊躇いも無く舞に近づく。
「優菜の奴大丈夫か?」
舞と優菜の戦いを遠くで見ていた大河は隣に居る亮太に聞く。
「……さぁ?でも、やるつもりだな」
「……この組み合わせ……不味かったな。道場で友達だったみたいだしねぇ」
「だがらこそだ。この組み合わせが面白いんだよ」
亮太は不適な笑みを溢す。
優菜は地面に落ちている魔剣ディアブロを弾き飛ばし、舞に飛ばす。
魔剣ディアブロは黒色の桜の花びらに弾かれる。
優菜は宙に舞う黒色の桜の花びらを切りつけ、舞に近づく。
「それじゃ、始めましょう」
優菜のその言葉に舞は紅桜を優菜に向けた。
優菜は舞に接近する。
舞の回りで浮遊している黒色の桜の花びらは舞を中心に渦巻く。
そんな渦に地面に落ちていた魔剣ディアブロも巻き込んでいく。
「……呑まれた……のかな?」
優菜は目の前で起きている現象にどう対処したら良いのか頭を悩ませる。
優菜は自身に出来る事を確認する。
優菜は魔剣ディアブロ、妖刀秋雨を手に持つ。この二本の剣は優菜の能力で幾つでも造り出す事が出来る。そして、優菜自身も造り出す事が出来る。
舞の姿は黒色の桜の花びらが渦巻き姿を確認出来ない為、舞のレプリカは造り出す事は出来ない。紅桜は伝説の武器である為レプリカを造り出す事は出来ない。
優菜は完全模倣を発動させ、妖刀秋雨を二本造り出す。優菜は妖刀秋雨を手にしていた二本の剣で弾き、舞の回りを渦巻く黒色の桜の花びらにぶつける。
一本は弾かれ、二本目は砕かれた。
これにより、優菜は接近を諦める。
妖魔剣紅桜がある限り、舞の暴走は止まらないだろう。
優菜は紅桜の破壊を諦める。
舞が力尽きるのを待つことにした。
「廉」
紫音は隣に立つ廉に話しかける。
廉は静かに黒色の桜の花びらが渦巻く光景を見ていた。
廉はこの戦いを棄権するべきか考えていた。
しかし、棄権すればチーム[アブノーマル]はチーム[ドラゴノイド]と統合する事になる。
それは、廉としては一番避けたい事だ。
「舞。頑張れ」
その場にその声は大きく響く。
その声は彩美のものだった。
今回のチーム戦に唯一参加出来ない彩美は叫び続ける。
「舞なら大丈夫」
彩美は叫び続ける。
黒色の桜の花びらは一部桜色を取り戻していた。




