第214話 妖刀秋雨
舞は右手に持つ魔剣ディアブロが振るえない状況に、左手に新たな剣を造り出す。
妖刀秋雨。
加治屋、川村玄海が造り出した妖刀シリーズの一本。
玄海が造り出した妖刀は20を越え、玄海の最後は自身が造り出した妖刀で自害したと言われる。
その為、玄海が造り出した妖刀シリーズは玄海の怨念が宿ると言われている。
舞は左手にそんな曰く付きの妖刀を握る。
「妖刀を手にしてその精神を保つなんて、成長したわね」
妖刀秋雨の刀身は澄んだ青色をしたものだ。
玄海が造り出した妖刀シリーズの特徴は刀身の色が光輝く様な剣が特徴となる剣だ。
妖刀は持ち主の精神を蝕む剣として有名だ。
舞は左手に妖刀秋雨を手にしているものの精神を乗っ取られる事無く、舞の意思がある。
舞は左手に持つ妖刀秋雨をレプリカの優菜を向けて、振るう。
舞を拘束していたレプリカの優菜は舞に切られた為姿を保つ事が出来ずに消えていく。
舞は三人のレプリカの舞を見つめる。
三人のレプリカの舞は魔剣ディアブロを持つが妖刀秋雨は持っていない。
その差を補える程、レプリカの性能は高く無い。
舞は三人のレプリカの舞を切りつける。
三人のレプリカの舞は消えていく。
「……やっぱり、レプリカじゃ無くて、オリジナルでやらないとね」
優菜は舞の持つ妖刀秋雨を完全模倣によって造り出す。
これによって舞と優菜は魔剣ディアブロと妖刀秋雨を持つ事になる。
優菜は妖刀に精神を乗っ取られる事は無い。優菜が持つ妖刀秋雨はオリジナルでは無く、レプリカの為妖刀に精神を乗っ取られる事は無い。
「もうレプリカは良いの?」
「ええ、オリジナル同士でやりましょう」
お互いに同じ剣を持つが優菜は余裕そうな表情に対して舞は冷や汗を流していた。
それは川上道場の稽古で戦ってきた時の記憶がそうさせる。
舞は一度も優菜に勝った事がなかった。
それはお互いに能力と異能力を使わなかったものの、剣術において舞と優菜には圧倒的な差があった。
舞が勝つには舞の異能力で優菜を出し抜くしか無い。
舞は左手に持つ妖刀秋雨を逆手に持ち直す。
「川上道場で双剣を使って居たのは貴女と玲奈さんだけだったわね」
「うん。私は双剣を極める」
「玲奈さんは日本で最強の女と言われるのは双剣を使ってからと言われる。双剣乱舞は玲奈さんの代名詞の、技と言われている。その時、右手は通常通りに握り、左手は逆手に持つ。今の貴女のよりにね」
「そう。私は勝つために双剣乱舞を使う」