第213話 魔剣ディアブロ
造られた二人の舞はオリジナルである舞とのスペック差があり過ぎる。
しかし、そのスペック差は人数差で十分に補える。
舞は必死に造られた二人の舞の攻撃に食らいつく。
優菜は地面に置いている魔剣を拾う。
優菜は二本の魔剣を持つ。造られた二人の舞に苦戦している舞はこれ以上人数が増えれば、対応出来ないだろう。しかし、優菜は見ているだけだ。
(……良い動きね)
優菜は舞の剣術を観察する。
優菜は川上道場で見てきた舞の動きだったが、しばらく見て居なかった舞の動きが良いものになっていることに気がつく。
舞は造り出していた魔剣を消す。
そして、新たに魔剣を造り出す。
魔剣ディアブロ。
どす黒く、波打っている剣が特徴的で見ただけで魔剣と認識出来る魔剣だ。
「……その剣でどうするのかしら?」
優菜のその言葉に舞は答える事は無い。その変わり、やってのける。
魔剣ディアブロを手にした舞は造られた二人の舞が持つ魔剣を破壊して、造られた二人の舞を切りつける。
「変な感じ。自分を切るなんて」
「……そうね。なかなか、慣れるものじゃ無いよね」
優菜は手にしていた魔剣を捨てる。そして、舞が持つ魔剣ディアブロを目視して完全模倣によって造り出す。
「舞。貴女がどれだけ新しい剣を造り出しても私も同じ剣を造れるのよ」
「……分かっている」
優菜は距離をつめる。
優菜と舞は互いに魔剣ディアブロをぶつけ合う。
優菜は自身のレプリカを造り出す。
造られた優菜のレプリカは魔剣ディアブロを手にしている。
舞はオリジナルの優菜の魔剣ディアブロと剣を交えている。
詰まりはレプリカの優菜の攻撃をしのぐ術を持ち合わせていない。
舞は優菜と交えている剣を離す。
レプリカの優菜は舞に近づく。
舞はレプリカの優菜に向かって魔剣ディアブロを振るう。
レプリカの優菜は舞の振るってきた魔剣ディアブロを魔剣ディアブロで防ぐ。
しかし、舞の一撃は重く、レプリカの優菜が持つ魔剣ディアブロを破壊する。舞の一撃はそのままレプリカの優菜の体を切りつける。
右腕の切断には成功したが、体まで切る事は出来なかった。
レプリカは体保てている為、消える事も無い。レプリカは魔剣ディアブロを持つ右腕が無くなっても舞も倒す事を止める事は無い。右腕の無い優菜のレプリカは舞に抱きつく。
優菜は舞の隣に舞のレプリカを三体造り出す。
造られた舞の三体のレプリカの手には魔剣ディアブロが握られていた。
舞は優菜のレプリカによって魔剣ディアブロが振るえない状況だ。