第194話 京の決断
京は任務で武器の威力調査の為、鉄筋コンクリートに囲われた場所に立ち尽くす。その表情は暗く、重々しいものだった。
そんな京の頭には一人の少女で埋め尽くされていた。
ナギサ。
神の頭脳の神能力で、幼い少女は死を目前にして死への恐怖も見せない少女に京は疑問しかなかった。
「先ずはライフルを心臓目掛け、撃つから一撃で死ねたら隣に用意しているボタンを押して」
この任務は京みたいな特殊な人間にしか出来ない任務だ。
地獄戻り。
死が確定した瞬間から一分から五分前に戻る事が出来る能力だ。
この能力を使っていくつも武器で心臓を狙った時、一撃で殺せるか?とゆう任務だ。
しかし、京は任務の事など頭には無い。
ただ、ナギサの行動が一つも理解出来ない事に苛立ちを募らせる。
その苛立ちは徐々に京の体を駆け巡る。
その瞬間だ。
京の体中から黒色のオーラが放出していく。
「ふざけるな」
「どうかしたの?」
京のその一言と全身から溢れる黒色のオーラを放出する京を見て、研究者達はどよめき出す。
「どうかしただと?」
「……」
「ガキの命を簡単に踏みにじるてめぇらからの任務なんざお断りだ」
京は右手に覆われた黒色のオーラを研究者達に向かって殴りつける。
強化ガラスの向こう側に居た研究者達は黒色のオーラに呑まれる。
黒色のオーラは強化ガラス、鉄筋コンクリートを破壊する。
研究者達はガラス、コンクリートの埋もれる。
京はナギサが入った部屋へ向かう。
その途中で研究者が立ち塞がるが全て、京によって倒される。
「……覚醒したの?」
「覚醒ってなんだ?……お前のせいでなんか黒いオーラが出るようになった様だし、これがあればお前ぐらい守ってやれる」
「無理だよ。管理する神を敵に回すの?」
「……管理する神?なんだそれ?どうでも良いや」
京はナギサの襟を掴むと外へと連れ出す。
外に出た京はナギサの襟を放す。
「どこに行くの?」
「何処なら安全だ?」
「安全な場所なんて無いよ」
「それで諦めるのか?」
「……良いの?私の為に命をかけるなんて」
「だから助けたんだろう」
歩く二人はゲームセンターを目の前にして立ち止まる。
珍しい物を見るようにゲームセンターを見つめるナギサに京はゲームセンターに向かう。そんな京にナギサはついていく。
ナギサは神の頭脳を持ちゲームセンターについての知識を持っていたが、初めて見る光景に目を輝かせる。