第175話 黒呪術(ハイパー・ロード):錬成術
デュラークは転移魔法で、ある場所に訪れていた。
デュラークはマーリンが告げた黒魔術を超える黒魔法を直ぐに会得出来る場所は限られている。
デュラークは現在、管理する神の傘下チーム[ブラッド・エルフ]にやって来ていた。
誰かを訪ねてきた訳では無い。そしてこの場所は海中にある。
海水などは結界で遮断してある。
そんな所にやって来たデュラークは一人の男の目の前に立つ。
「どうゆうつもりだ?」
無数の男達が倒れる中、デュラークは血まみれな手をチーム[ブラッド・エルフ]のリーダーに向ける。
そんなデュラークの手は黒色のオーラが溢れる様に漏れだしていた。
黒いオーラに包まれた手は血を消し去り、徐々にどす黒くなっていく。
どす黒いオーラは髑髏様な姿になっていく。
デュラークはようやく手に入れた力に笑みを溢す。
チーム[ブラッド・エルフ]のリーダーは震え上がる。
「あり得ない。……黒魔術の進化ー黒呪術」
「それがどうした?」
「あり得ない……世界で数百人も満たない進化に至るなど……」
「この力が必要なら使えるようにするだけだ」
「その力で何をするつもりだ?」
「……人魚を造ったそうだな?」
「それがどうした?」
「人間の胴体を切ったのだろう?」
「何を知りたいんだ?」
「全てだ」
「無理だ。人魚を一体造るのにどれだけの月日を費やしたと思う?……10年だ」
「そうか」
デュラークはどす黒く髑髏のしたオーラをチーム[ブラッド・エルフ]のリーダーにその手を向ける。デュラークは手からオーラを放出させる。そのオーラは髑髏の姿をしており、チーム[ブラッド・エルフ]のリーダーの頭はデュラークが放出させた髑髏の姿をしたどす黒くオーラに包まれた。
チーム[ブラッド・エルフ]のリーダーを包んでいたどす黒いオーラはデュラークの手元に戻ってくる。どす黒い髑髏はチーム[ブラッド・エルフ]のリーダーから奪ったものを喰らうように動く。
「あああ、何だ……これ?」
何かを奪われたチーム[ブラッド・エルフ]のリーダーは混乱する。
今起きている事を直ぐには理解できなかった。
「これで、デュラハンが造れる」
「何を言っている?」
「見れば分かる」
デュラークは魔法陣を床に展開させる。
その魔法陣から髑髏の姿をしたどす黒いオーラが蠢いていた。
そんな魔法陣にデュラークは手にしていた未完成のデュラハン・ブレイブを放り投げる。
デュラークは身を屈め、チーム[ブラッド・エルフ]のリーダーから奪ったそれを魔法陣に加える。
デュラークはそれらを錬金術によって一つにする。
「これで完成だ……デュラハン・ブレイブ」