第169話 魔導艦隊ーキング
「嘘……」
窓を眺め続けていたデューク声を漏らす。
ただ事で無い事を理解したデュラークは駆け寄る。
窓から日の光が射し込んでいた筈なのに、光は途絶えてしまう。
二人は窓から射し込んでいた光を遮った正体を目にする。
「船?」
デュークは声を出したものの確信を持てなかった。
デュークの知る船は水の上に浮かぶ位の知識しか無かったからだ。
しかし、現在は空高く浮いている。
「魔法を動源になっている様だな……魔導艦隊ーキング」
デュラークは一目見て、船の構造を見極める。
デュラークの言う通り空を優雅に飛行するのは魔導艦隊ーキング。
イギリスが所有する魔導艦隊の一つが現れた現状にデュラークは考え込んでいた。
イギリスが所有する魔導艦隊で名の知れた物だとキング、クイーン、ダイヤ、クローバー、スペード、ハートだ。その中でもキングとクイーンは別格だ。
それに魔導艦隊ーキングは船長の男の意向により、海賊船として改造されている。その全てが竜の鱗でおおられ、先端には竜の頭が取り付けられてある。
そんな魔導艦隊ーキングを見てデュラークは一人の男の存在を思い返していた。クラーク家の会合で出会った男ードラゴ・クラーク。
ドラゴはイギリス王室を守るため組織された一つのチームを任されている男だ。ドラゴが所属しているのはチーム[ブルースカイ]のリーダーをしている男で主に魔導艦隊ーキングに乗っていて、空を守る事を任務としている。
イギリスでは空中はチーム[ブルースカイ]、地上はチーム[円卓の騎士団]が居るため、難攻不落の国として全世界に知れ渡る程だ。
そんな空中を守っている筈の魔導艦隊ーキングがここに何故現れるのか、デュラークには不思議でしかない。
「デューク……ここから離れるよ」
「……うん」
デュークは戸惑いながらデュラークの指示に従う。
デュラークは壁に魔法陣を展開させる。木の壁は脆く崩れ去る。
「変わらないな」
久しぶりに外に出たデュラークは呟く様に告げる。
デュラークは部屋の小窓からではなく大きな窓から外の状況を確認する。
中庭には無数の竜が絡み合っていた。そんな竜を見てデュラークは船を確認する。
(やはり……船から出しているのか)
魔導艦隊ーキングから垂れ下がって居る竜の胴体を確認する。
「長い竜だ」
デュークは魔導艦隊ーキングから垂れ下がって居る竜を見て告げる。
そんなデュークを見てデュラークは行動を急がせる。
デュラークは知っているドラゴの厄介な異能の全てを