第167話 名殺神剣(めいさつしんけん)
チーム[三羽烏]の二人は一人だけ居る神能力者の斉木正宗だけを殺せない事を認識して行動を始める。
そんな中、正宗は能力を発動させ、一本の剣を造り出す。
「名殺神剣……この剣が相手をさせて貰います」
正宗は鞘から剣を抜き、城山、デュラークに向ける。
そんな正宗の隣に立つ仁は右手を城山、デュラークに向ける。
仁の右手は紅色に染まり、丸状に大きくなる。
仁は紅色の炎を放出させる。その炎の威力は地面をえぐり、衰える事無く二人の男の元までやって来る。
城山は親指と中指を擦らせる。その瞬間に衝撃波が仁の放った炎とぶつかる。
城山が造り出した衝撃波は仁の紅色の炎にぶつかると仁の紅色の炎はガラスが割れた様に破壊される。ガラスを割った様にして紅色の炎を破壊した衝撃波はチーム[クリムゾン]に遅いかかる。
そんな衝撃波に碧人は自身の異能、氷の金剛石を使用して氷の壁を造りあげる。
碧人が造り上げた氷の強度はダイヤモンドと同等の強度を誇る。
そんな氷に城山が放った衝撃波が衝突する。
氷の壁は役割を果たす事無く、簡単に粉々にされる。
衝撃波は止まる事無く、チーム[クリムゾン]に向かい続ける。
そんな中、正宗は一本前に出て、能力で造られた剣を振るう。
城山の指を擦らせて造られた衝撃波と正宗の剣を振るう事で造られた衝撃波がぶつかり合う。
お互いの衝撃波は打ち消し合う。
「これで分かったろ」
城山は圧倒的な力をチーム[クリムゾン]を圧倒していく。
城山は不適に笑いながらチーム[クリムゾン]を見つめる。
城山が造り出した衝撃波に簡単に壊された仁と碧人は少し工夫をしないと勝てない事を理解する。
そんな中、仁はデュークの背中を押す。
「行け」
それだけをデュークに告げる仁。
そんな仁の後押しもあり、デュークは転移魔法で移動を開始する。
「なんだ?」
突然、デュラークの目の前に転移してきたデュークを見つめて城山は声を上げる。しかし、警戒はしない。する必要もない。
デュラークとデュークは向かい合うが動かない。
そんな二人を見て城山は苛立ちを隠せないまま怒鳴り散らす。
「何をやってるんだ?いきなり出てくるなら、視角を狙えよ。デュラークお前も何やってる。さっさと殺せよ。もう頭も腐敗して無くなったんだからよ」
城山が言う様にデュークの頭は機械仕掛けの神の一部として頭の役割を果たしていたが、錬金術で無理矢理に固定されていて、廉の一撃によって体の一部が切断された瞬間に人間としても形を保つ事が出来なかった為に体はバラバラになり、機械仕掛けの神以外は腐敗していた。