第166話 救出
「廉……彼らに任せても良かったと思う?」
「……檜山仁は一度は俺の命を取ろうとしたけど……何故か任せられる……そんな気がする」
廉の曖昧の答えに紫音は微笑む。
機械仕掛けの神と戦いを繰り広げていた廉と紫音はチーム[三羽烏]、[クリムゾン]の乱入、チーム[クリムゾン]のリーダー檜山仁に提案で他の仲間を助けに行けと言われ、その場をチーム[クリムゾン]に任せ、川上舞を探す為現在加藤家に向かい走り出す。
加藤家に到着した廉と紫音はそこで加藤彩乃と川上舞を発見する。
「二人とも無事みたいだね」
「あぁ」
紫音に二人の無事の知らせを受け安堵した廉だが、疑問が残る。
戦った相手は命を奪わず、倒しただけで収まった。だとしたらその相手は一体誰なのか、廉には分からない事だ。
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廉達を逃がしたチーム[クリムゾン]はチーム[三羽烏]との戦いが今始まろうとしていた。
「チーム[ゼロ]の誘いを断るのか?」
「答える必要があるか?」
「嫌……もう良い」
仁が目の前に立った時点で答えは出ている。
城山は苛立ちの表情から健やかに微笑む。
それはチーム[クリムゾン]からしたら異様な光景だった。
チーム[ゼロ]から仲間に加える為に手を出す事は禁じられていた城山はチーム[クリムゾン]に攻撃出来る状況に思わず笑みを溢す。
好戦的な城山にとってチーム[クリムゾン]と戦えるチャンスに心踊らせる。
「デュラーク……こいつらは殺しても良いよな?」
城山は念のため隣に立つデュラークに尋ねる。
デュラークはチーム[クリムゾン]として立つ鎧を着た男を見つめる。
答えを返さないデュラークに苛立ち城山はデュラークの顔を確認する。
デュラークの顔を見て、城山は右手を親指と中指を擦らせる。
それと同時に衝撃波が鎧の男に向かって飛んでいく。
「……もしかしてと、思ったマジだ」
赤色の鎧を身に纏った男の白い兜は簡単に壊される。
その姿に城山は笑みを溢し、デュラークは物寂しそうに見つめる。
その姿に驚いたのはチーム[クリムゾン]に新たに加わったメイド服の女と五十嵐京介も同じだ。
鎧の男ーデューク・クラークは昔兄のデュラーク・クラークによってデュラハン・ブレイブによってデュラハンにされた過去を持つ。
「デュラーク、お前の弟がこのチームに加わる何てな……偶然か?」
「どちらにしても……やるべき事は変わらない」
「殺しても良いんだろう?」
「……斉木正宗は神能力者だ。殺す事は出来ないよ」




