第152話 機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)
「レヴァンティン?……どっかで聞いたな」
デューラクが告げたレヴァンティンを聞いて城山は考え込む。
「レヴァンティンは神異能力らしい」
「……レヴァンティンね。神異能者か……殺せねぇな」
「それが管理する神の掟だからね」
管理する神の唯一の掟。神能力者、神異能者、能力から覚醒した者や特別な人間を殺してはいけない。それだけが管理する神の掟だ。
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鉄の塊を斜めに切り裂いた廉は追撃はせずに、鉄の塊の様子を伺う事にした。
「……ただデカイ鉄の塊なのか?」
「ただの鉄には見えないけど……」
廉の言葉に紫音は否定的だ。
斜めに斬られた鉄の塊はゆっくりと姿を変え、歯車や鉄骨等に姿を変える。
「……攻撃したのは不味かったか?」
「……そう……見たい」
増殖を続ける鉄、歯車、鉄骨は北海道の大地だけでは無く、海にまで届く程大きさを増す。
次々と姿を変える鉄の塊に驚く事に疲れ始める廉と紫音。
「あの鉄の塊は増殖を続けるなら一瞬で全部壊すしか無いな」
「……簡単に言うね」
「大丈夫。紫音も居るんだ」
「……やるだけやってみよう。舞達に追い付かないとね」
「あぁ」
「取り合えず、増殖を止めないとね」
「出来るのか?」
廉には出来ない事を発言した紫音に廉は食い付く。
廉の炎神の魔武器は攻撃性の武器のみを造れる異能だ。拘束具である鎖などを造り出せるが目の前に居る鉄の塊に対しては心持たない。
「試してみるよ」
紫音は氷神の花畑を発動させる。
紫音は氷で造られた棘の鞭を手にする。
紫音は巨大化を続ける鉄の塊に向けて鞭を振るう。
紫音が振るった鞭の棘は歯車に引っ掛かる。
紫音は手にしている鞭を強く握る。鞭は冷気を出しながら一瞬で伸びていく。
鞭は巨大化を続けていた鉄の塊の全てに巻き付く。
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巨大化する鉄の塊を止めた状況を見ていた屋上に居る二人は紫音の氷に興味を持つ。
「……神異能力を止めるあの氷……神異能力なのか、それとも特殊な能力かなのか……どちらにしても、機械仕掛けの神を止める所を見るとかなりのものの様だ」
デューラクのその話に興味無さそうに城山はデューラクの話の後に続けて話をする。
「そうか……じゃああの二人は殺せねぇな」
管理する神の傘下のチーム[ゼロ]に所属している為、廉と紫音を殺す事が出来ない状況に城山はつまらなそうに鉄の塊と対面している二人を見つめる。