第126話 黒魔術(オーバーロード):錬金術
神田家からは賢者の石を十個、当麻家から魔武器を奪ったドレア・ドレスは次の目的地である加藤家を目指す途中で一人の男と出会った。
「チーム[三羽烏]のリーダーが何をやっているの?」
チーム[三羽烏]はチーム[ゼロ]の副団長を守護するため結成したチームだ。
ドレアは男に対して警戒心を強める女だ。しかし、現在目の前にいる男に対していつも以上の警戒を強める。
デュラーク・クラークそれがドレアの目の前にいる人物の名前だ。
調った容姿に凛々しい佇まいの少年。
チーム[ゼロ]に入団する為に命じられた首を無数を直ぐに用意して入団した男で、ドレアが最も嫌う男の一人だ。
「賢者の石は俺が1つ貰う約束だ。貰おうか」
デュラークは手を伸ばし、その手は賢者の石を待つように伸ばされている様だ。
確かに賢者の石の一人はデュラークに渡す話しになっていた。しかし、ドレアには疑問が残る。
「渡すのは任務終了後のはずだけど?」
「事情が変わった」
ドレアにとって今渡しても、任務終了後に渡しても特に気になることは無い。それにドレアは賢者の石を渡せば早く一人になれるかもとゆう考えもあった。好いても居ない相手から解放されるのはドレアにとっても嬉しい話だ。ドレアは賢者の石を一つを投げる。
「今すぐ、何かに使うのかしら?」
賢者の石を受け取った瞬間にドレアは疑問をデュラークにぶつける。
任務終了後にはデュラークの物となる賢者の石を今、必要とした事からドレアは何かに使う事を予想する。
「お前には関係無い」
その言葉だけ残してデュラークは転移魔法によって何処に移動を開始する。
(……確か、デュラーク・クラークは黒魔法:錬金術を使うはず、賢者の石で何かをやる事は目に見えているが……)
錬金術は魔法が白魔術と黒魔術に目覚めた場合に扱えるだけでなく、知識があれば無能力者でも錬金術を扱えるが、ドレアの知る限りデュラークは世界でもトップクラスの錬金術師だ。
デュラークはその疑わしき態度から何度もスパイの容疑が疑われていたが、自身の弟の首を取り、忠誠を見せた。
しかし、管理する神は騙せたが、チーム[ゼロ]と[カオス]だけは知っていた。
デュラークは自身の黒魔術:錬金術で賢者の石と剣を錬金して、デュラハン・ブレイブを作り出した事を機密として今までやって来た。
デュラハン・ブレイブは人間や動物の体を切りつければ簡単に切断出来るが血は一切出ずに切断できてしまう。
弟の首もこのデュラハン・ブレイブによって切りつけたらしく、切断された弟は首を切られても、血は出来ずに現在も生きていると言う。