第124話 成長した息子
総一朗は最後の行動を開始する。
総一朗は直ぐ様父親の背後を取る。背後を取られた父親は直ぐに振り返り、対応してみせる。そして、父親は総一朗の雷全てを吸収する。
一度消えた雷を総一朗は再び黒魔剣に雷を纏わせる。
雷を纏った黒魔剣凄まじい程の大きさになった黒魔剣で父親に突く。
父親は対応に迷いが生じる。
雷が大きすぎて、黒魔剣の場所も手の位置も分からない。
黒竹光を少しでも雷に触れる事が出来れば全ての雷を吸収出来るが、黒魔剣は別だ。黒魔剣の場所が特定出来なければ、確実に貫かれる。
ここで父親が取りたい行動は雷を吸収しながら黒魔剣の突きを防ぐ事だ。
黒魔剣と手は雷に覆われているが肩は別だ。
肩の位置から代々の位置は特定できる。
父親は黒魔剣があると思われる場所に黒竹光を振るう。
黒竹光は全ての雷を吸収する。
しかし、父親が予想していなかった事態が起きる。
総一朗の手には黒魔剣は握られていない。握られた総一朗の拳は父親の頬に触れる。
その瞬間、父親は吹き飛ばされる。
吹き飛ばさた父親は当麻家……自身の屋敷の壁に叩きつけられる。
総一朗は拳は強化魔法によって強化された拳は通常の拳とは異なる。
鉄の様に重い拳だ。
地面に落ちた黒竹光を見つめる総一朗は昔の事を思い返していた。
勝つ事が出来れば、黒竹光を譲ると約束をしたあの日の事を、総一朗は地面に落ちいる黒竹光を手に取る。
総一朗は父親に目を向ける。
父親は壁を見つめている。総一朗はそんな父親の背中を見つめる。
幻術が解けたのか?総一朗は確認をする。
「終わったみたいだね」
父親に近づこうと歩き初めて、数歩目の事だ。
背後から、声が聞こえて総一朗に背後に人物が居る事を把握する。
しかし、総一朗は警戒する様子も無く、振り返る。
総一朗は声を聞いた時点でその人物を理解していた。
振り返ると予想通りの人物がそこには居た。
「……明神か」
総一朗の目の前には同じチームに所属の明神明が翼を生やしてその場に立ち尽くす。
明神は翼を体の中にしまうと総一朗との会話を続ける。
「北海道支部だけじゃ無くて、北海道中に幻術をかけるとはドレア・ドレスはそれだけ凄いって事か……」
「明神、翼が4つ無くなっていたが?」
「ちょっとね……」
明神の能力は勝利の翼。
天使属性の能力で、背中から10本の翼を生やし、受けたダメージは翼が肩代わりしてくれる能力。攻撃を受けるとそのダメージによって翼から羽が落ちていき、死亡レベルのダメージを受けると一枚の翼が無くなる。
つまり、明神は10回殺さないとダメージを与える事が出来ず、攻撃を受けた際、落ちた羽は攻撃性の羽となる。




