第123話 魔剣士
このままの状態で父親に向かえば黒竹光に雷を吸収されるだけだ。
それを理解した上で総一朗は高速で父親の背後を取る。
父親は振り返るよりも先に黒竹光を振るう。
黒竹光は総一朗の雷を吸収する。
そして気がつく。
背後には総一朗は居ない。その変わり魔法陣がそこにはあった。
姿が無い所を見てすぐ父親は理解する。
この魔法陣は転移魔法だとゆう事を……
つまり、総一朗は転移魔法によって移動した事が分かる。
父親に残された問題は総一朗がどこに転移したかだが、父親の顔に焦りは無い。目の前に居ないなら、背後だけ。
父親は体より先に黒竹光を背後に振るう様にして回転をする。
父親が握る黒竹光に衝撃が走る。総一朗は黒魔剣で黒竹光を受け止める。
黒竹光は何も吸収出来ずにいた。
総一朗が握る黒魔剣と体には雷は消えている。
「ここからが本番だ」
総一朗は黒魔剣を振るい、黒竹光を退ける。
直ぐ様、黒魔剣を父親に向け、そのままつく。
父親は黒竹光を手から離し、魔法陣の中に入れる。
父親は手元に魔法陣を出現させ、直ぐに魔法陣から黒竹光を取り出し、黒魔剣に勢い良くぶつける。
総一朗は転移魔法で移動をするため、魔法陣を展開する。
父親は魔法陣に黒竹光を投げつける。
黒竹光は魔法陣を吸収すると地面に落ちる。
父親は炎属性の魔法を発動する。
黒魔術:強化魔法を使用して炎を形をした剣を作り出す。
総一朗は黒魔剣を炎に包ませる。
黒竹光がなければ魔法を吸収される事は無い直ぐ様総一朗は勝負を決めにかかる。
父親は炎を形作る剣を総一朗に振るう。その際地面に落ちている黒竹光を魔法陣で回収も忘れずに。
総一朗も父親が振るう炎で出来た剣に炎に包まれた黒魔剣をぶつける。
激しく燃える炎の中、父親は魔法陣から黒竹光を取り出す。
黒竹光が現れた時点で総一朗は動く。
総一朗は黒魔剣を傾け、回転させる。
父親は黒竹光で炎を吸収する。
それは総一朗の炎はもちろん、父親が自ら出した炎もだ。
黒竹光と黒魔剣がぶつかる瞬間、回転を続ける黒魔剣は黒竹光にぶつかる事無く、すり抜ける様に通り抜ける。
総一朗は黒竹光の攻撃の低さは子供の時から理解していた。
破壊が出来ない黒竹光は吸収のみの竹刀は体に当たっても痣が出来る位だ。
それに比べ黒魔剣は違う。体に当てる事が出来れば体の切断は簡単に出来るだろう。
総一朗は黒魔剣を父親に振るう。父親は両手を使い黒竹光で防御する。
総一朗は距離を取る。
「次で決める」
総一朗は再び全身と黒魔剣に激しい雷を纏わせる。
そうこれが最後だ。
総一朗は体はもう雷に耐えられるだけの体力は無い。