第119話 略奪
北海道中に幻術をかけた張本人は現在北海道支部に居た。
ドレアは今回の目的であった、賢者の石を奪うべく神田家に侵入に成功する。
神田家には様々な結界で守られていたがこれを簡単に破り、神田家の蔵にやって来た。
ドレアは蔵にゆっくりと足を踏み入れる。
しかし、ドレアを止める者は誰を居ない。
人は居るが誰も止めない。全員が幻術をかけられ、うなだれながら地面に倒れこむ。
ここまで来たら、簡単だ。ドレアは蔵に入っている賢者の石を手にする。
賢者の石は二世紀前に居た天才錬金術師パラス・スケールによって造られた。賢者の石は手にした者によって色、形を変えると言われる。
パラス・スケールは賢者の石を利用して、魔武器、魔装を作ったとされる。
次のドレアの目的は魔武器を管理している当麻家に向かう事を決める。
ドレアは十個の賢者の石を握り締め、当麻家に向かう。
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当麻家は代々パラス・スケールが造ったとされる黒魔武器や魔武器を管理する家系として有名な家だ。
ドレアはチーム[カオス]、[ハンド]の強化の為、当麻家から奪うのが目的だ。
「早いわね。当麻総一朗」
「悪いがここから先に行かせる訳には行かない」
当麻総一朗、日本最強の魔法剣士と呼ばれる男。
この男が来ることは予想していたドレアは予想よりも早い登場に少し、驚く。
当麻総一朗はチーム[雷帝軍]として動いている為、自由に動くのは難しい。
ドレアは総一朗が一人で来たのか、それともチーム[雷帝軍]全員が来たのかそれだけが気になる事だった。
辺りに人影は無い。
総一朗一人で来たのか?
ドレアは更に考えを模索する。
一人で居る所を見るとチーム[雷帝軍]とは別に動いている様だ。
しかし、確証は無い。
「貴方一人で私と戦えるのかしら?」
ドレアは総一朗との会話で別行動をしているのか?チーム[雷帝軍]として動いているのか?を確かめる会話で引き出す事にした。
「お前には関係無い」
総一朗は魔法陣を出現させると魔法陣に手を入れて、一本の剣を取り出す。
自身の空間に入れていた剣を取り出す。
漆黒のその剣はどす黒いオーラが漂っていた。
黒魔剣。
パラス・スケールが賢者の石を使い錬金術造り出した剣。
魔力を剣に流す事で、その属性の効果を最大に引き出す事が出来る。
魔力が少ない者でも簡単に扱える為素人と向けの武器とも言える剣だ。
しかし、総一朗の魔力は膨大だ。そんな総一朗が黒魔剣を扱えば、素人向けに造られた剣は誰から見ても素人と向けの剣とは思えない程の剣となる。
 




