第110話 道標
残された魔法陣はドレアから貰った紙には載って居ない所にある筈だ。
しかし、北海道を多い尽くす程あった魔法陣は等間隔に設置されており、どこから手をつけていいのかを考えるとどこでも可能性がある。
この魔法陣の配置は敵の目から見ても綺麗な配置となっていて、魔法陣と魔法陣の間は重要な施設、道路等を避けられている。最も可能性が高い重要な施設を狙いたい所だが、ここ北海道は都道府県の中でも一番の面積を誇り、移動も一苦労する。転移魔法を使えるのは浴衣一人だけだ。浴衣の転移魔法で幾つもある重要な施設を一つ一つ魔法陣があるか確認して破壊しては時間がかかる上にそもそも魔法陣がある保障も無い。
チーム[ハンド]を率いる玲愛の決断一つで任務の成功も失敗もあり得る話だ。玲愛の頭の中には幾つもの考えがあるが、行動は出来ずに居た。
一番効率が良い方法は玲愛の神の義手で北海道中の生物以外を手に変えて、その手で辺りを叩きつければ、魔法陣も壊れるだろう。しかし、これからの事を考えると簡単には出来ない。
「こっちは終わったわ」
影の中から八重が出てくる。
それと同時にブレアも出てきた。
二人は北海道の周りに女神の旗を突き刺していた。ここに現れたのはそれが終わったからだ。
そして何よりも玲愛にとっては朗報だった。
「ブレアは女神の旗で魔力が高い場所を探して」
「……分かりました」
ブレアは戸惑いながらも玲愛の指示に従う。
北海道支部は魔法に溢れているがここは違う。北海道支部を守るには余りにも広すぎる土地に配置された魔法陣の数は無数に存在する。しかし、チーム[ハンド]によってその数はかなり減少している。
ブレアが女神の旗の能力で造られた旗を手にして、直ぐ様地面に突き刺す。
旗には北海道の地図と印が五つあった。
この印は残りの魔法陣の数だ。
「ブレアちゃん凄いね。こんな事が出来るなんて」
「いえ、私の頭ではここまで考えが及びませんでした」
浴衣の言葉に否定的なブレア。
残りの魔法陣の数と場所を把握したにも関わらず玲愛の顔色は優れない。
玲愛は最初にドレアから受け取った紙の事を思い出していた。
北海道支部の結界を破る為の魔法陣の場所を書いた紙を用意したのはドレアだ。ドレア程の人物が書き漏らしたとは思えない。北海道支部が一枚上手だったのか、ドレアのミスなのか、確かめない事には分からない事だ。




