第107話 女神の旗(ヴァルキリー・フラック)
現在居るチーム[ハンド]のメンバーはリーダーの荒川玲愛、副リーダーの北見浴衣、メンバーの黒川八重、メンバーの鳴上琴音に新メンバーの山下楓とブレア・キースの六人でこれから北海道支部の結界を打ち破るために動く訳だが、新メンバーの楓は緊張しており、失敗の可能性も視野に入れて行動する事になる訳だがリーダーの玲愛にそれ程の焦りはない。
それはもう一人の新メンバーが優秀な為、楓の戦力を抜かしても十分に戦える為だ。
ブレア・キースの能力は女神の旗の神能力だ。金髪に腰まで編まれた髪に上は鎧を着ていて、下はロングスカートの少女。女神の旗は旗を造る能力だ。その旗を地面に突き刺せば、様々な効果を与える能力だ。
「八重ちゃんはブレアと一緒に北海道の周りに旗を立てて」
「了解、魔法陣の破壊はお願いね」
「うん。任せて」
八重の能力黒影の槍で八重とブレアの二人は影の中に入り、移動を始める。玲愛は槍の形をした影が移動したのを確認して、作戦通りに動く。
ブレアの女神の旗によって北海道の周りに旗を立てる事こそがこの作戦を左右する程、重要な事だ。
旗を地面に突き刺せば様々な効果を与えるが今回は侵入禁止の旗をブレアによって地面に突き刺して貰う。女神の旗は簡単に言えば標識の様な物だ。地面から抜かない限りその効果は続く。
詰まり、ブレアの旗が地面に突き刺されば侵入が出来なくなることを意味している。しかし、侵入方法が無い訳では無い。転移魔法や移動系の能力なら侵入出来るだろう。北海道の周りに旗を突き刺すので効果は外からやって来た者のみに効果が発動する。しかし、転移魔法、移動系の能力で入ってきた者に対して対策は勿論してある。それはドレアの幻術だ。
現在はチーム[カオス]は幻術を北海道全体にかける為に動いている。
勿論、北海道の大きさと仲間達に幻術がかからない様に慎重に幻術をかけている最中だ。
チーム[ハンド]の次の目的は北海道支部を守る為に周りにある魔法陣の破壊が目的だ。
旗を立てに行った八重とブレア以外の四人で北海道中にある魔法陣を破壊する訳だが玲愛、浴衣、琴音、楓の四人が一緒に行動しては効率が悪い。
ここでリーダーの玲愛は四人を二人づつに分けて北海道にある魔法陣を半分ずつに分けて破壊する事に決めた。問題はどう分けるかだけだが、玲愛はもう決めていた。
「これから二手に分かれて魔法陣の破壊をするわ。私は楓と行くから、浴衣ちゃんと琴音ちゃんで魔法陣の破壊をお願いするわ」
玲愛はドレアから貰った一枚の紙を浴衣に渡す。
「この地点から私たちは右から浴衣ちゃん達は左から魔法陣を破壊していきましょう」
「玲愛ちゃん紙無くても大丈夫なの?」
「うん。もう覚えたから」