第1027話日本へ
「良かろう。日本へ行く事を認めよう。ミーシャ、ゲルマンの二人は共に行動してもらう。……∞パーフェクトΣの君は残って貰う」
「アレクセイです」
日本へ行ける事になったエレナのテンションは高くなっていた。
「黄金聖神槍……待っててね。今、迎えに行くよ。邪魔する奴は殺す!」
「そう、慌てるな。イギリスからとあるゲストも呼んである。こっちへ来なさい」
老人に呼ばれたやって来たのは、深く帽子を被った男性だった。その帽子のせいで顔は確認出来ず、確認出来る口は常に微笑んでいた。
「こんにちわ。イギリスのチーム[円卓の騎士団]専属探偵代々、この名を名乗り続ける一族、まだまだ、若輩者なのだが、一応、シャーロック・ホームズを名乗らせて貰っている。宜しく頼むよ」
シャーロックのその登場にミーシャは老人に迫っていた。
「これは何の冗談ですか?」
「……この男、シャーロック・ホームズはずば抜けた推理力を持っている。現に黄金聖神槍がエレナの体に宿っていない事を知り、エレナが日本に行く事を言い当てている。それに彼も日本には目的がらしい。多忙が故に彼は仕事でしかイギリスを出る事が出来ないと言う話だ」
「つまり、ロシアが彼に依頼を?」
「そうだ。ただし、彼には黄金聖神槍の回収を優先して動いて貰う」
黄金聖神槍を取り戻す為、ロシアのエレナ、ミーシャ、ゲルマンの三人に加え、イギリスからはシャーロックを加えた四人はゲルマンの合成能力を用いて、転移し日本へと一瞬で移動した。
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「はぁはぁはぁはぁ」
日本に到着したゲルマンは地面に倒れ込み、息を切らしていた。
「何、こいつ」
地面に倒れ込むゲルマンをエレナはまるで汚物を見るように見つめながら、告げていた。
「だらしないわね。それでもロシア近衛騎士団複合能力部隊副部隊長なの?」
エレナに続き、ミーシャもゲルマンへの罵倒をするのに対し、シャーロックはゲルマンに近寄る。
「大したものだ。日本は何重にもある結界で守られているにも関わらず、転移をやって退けるとは、見事だ。ワトソン君!」
「……ゲルマンです」
この日本に黄金聖神槍がある事から、エレナは直ぐに動き出す。
「待ってください。エレナ」
「何?ミーシャ」
ミーシャがエレナを呼び止めたその時、エレナに向かって、トラックが勢い良く向かってきていた。
「……私の目の前で、私が居るにも関わらず、向かってくるとは……死にたいらしいわね」
エレナは右手を振るい、衝撃波を発生させる。