第1019話 [レジスタンス]の総帥
鬼の仮面が最後に放った黒いオーラは日本中を包み込み、日本の至る所は地獄と化していた。
「……ジーク、どう見る?」
「発動したものを止めるのは、発動者を気絶あるいは殺す必要がある」
「……それは残念、もうどっちも出来ねぇな」
「あぁ、僕が肉体を腐敗させたからね」
日本中の至る所が地獄と化したその状況を止める方法が無い事実をいち早く、把握した二人はただ、目の前で繰り広げられる地獄の光景を眺めていた。そして、これから更なる絶望が待っている事は誰の目から見ても分かる事だった。
「……一つ、この状況を打破する方法がある」
「鬼の仮面を付けた奴を生き返らせるとでも?」
「それは出来ないよ。[レジスタンス]の総帥なら何とか出来るかもしれない」
「……言うだけ言ってみろ」
「レヴァンティンの覚醒は生物以外を吸収し、己の力へと変化させる事が出来る」
「成る程、日本中にある鬼の仮面が発生させた黒いオーラを吸収させようと?」
「それに賭けるしかない」
「……出来るのか?」
「木山廉の今の力では無理だろう。だが、神器なら原初の力を引き出せれば、可能性がある」
二人がこの状況を打破する唯一の可能性が廉を探す為、二人は病院内へと戻っていく。一方一人取り残された氷は
「……俺はここに居るか」
氷は退屈そうに、地獄へと変化していく街並みを眺め、ある事に気がつく。
落ちていた鬼の仮面が独りでに動き、病院内へと入って行ったのだ。
「……何だ?いまのは」
独りでに動いていた鬼の仮面は数枚の羽によって、操作されており、操作していた明神の手元に鬼の仮面が到着する。
「……おかめの仮面よりは……良いな」
明神は病院内に居る理由を失った明神は病院を後にした。
そんな中、舞は湊斗、天舞音と合流していた。
「……久しぶりね。川上舞」
「はい。久しぶりですね天舞音さん」
「記憶は戻っているのだから、わざわざ説明も謝罪もしないわ」
「それで良いです。それよりもお兄ちゃんが」
「あいつなら、何とかするでしょう」
「……それでも、私は」
「分かったわ。一緒に探すそれで良いのでしょう?」
「はい。助かります」
三人は一夜の捜索に動き出すと、直ぐに勇治、紫音、廉の三人と合流する。
そんな時だった。ジークと一夜が合流したのは
「お兄ちゃん」
「舞、無事だったな。お前の実力なら、当然だがな。それよりも、今は木山廉……お前だ」
突然、話を振られて廉は戸惑う。
「俺ですか?」
「外の状況は分かっているか?」
「外?」