第1018話 鬼との再会
「……人を殺す事はしない。……この仮面は回収しておく」
和輝はおかめの仮面を付けた女は和輝に反撃も出来ずに気絶させられると、神器が封じられた仮面の回収をし、その場を後にすると、チーム[輝き]の全メンバー達は怪我人の保護に動いた。
この病院に侵入を果たしたチーム[マスク]は残すは鬼の仮面を付けた男だけとなった。
そして、鬼の仮面を付けた男と対峙しているのは、九十九一夜一人で戦闘を続けていた。
「……金棒を振り回そうと、どれだけ地獄の門から獄卒を連れて来ようが、俺には意味をなさない」
一夜の能力、傍若無神は一夜が動き続ける限り、一切の干渉を受けない能力であり、一夜の動きを止めない限り、ダメージを受けず、一方的に一夜は攻撃を行っていた。一夜の体術は日本のトップレベルであり、鬼の仮面を付けた男が対処出来る動きではなく、体中の骨は折れ、鬼の仮面には至る所にヒビが入っていた。
「終わらせてやる。武神乱舞!」
一夜は一瞬にして、幾度の拳を、幾度の蹴りを瞬間的に与えていた。剣術ではなく、体術を極めると決めた一夜が自ら編み出したこの技によって、鬼の仮面は粉々に砕け散った。
「……この仮面に宿された神器、獄卒を束ねし金棒はお前の手元から離れていく」
「愚かな事よ」
「何だと」
獄卒を束ねる金棒は既に覚醒しており、獄卒を統べる金棒となったその金棒を地面へと殴り付ける。
「全てはここから始まる。地獄はここより……始まる」
病院の屋上に居る鬼の仮面を付けた男を中心に黒いオーラが放出させると、そのオーラは病院内に居る全ての人間が察する程のものとなっていた。
「金棒が消える前に、やりやがったな」
「……この命を糧に日本を地獄へと」
「させねぇよ」
一夜は即座に移動すると、鬼の仮面をさっきまでつけていた男の首を蹴り飛ばし、首の骨をへし折った。
その瞬間、屋上に魔法陣が出現すると、そこからジークと氷が現れると、ジークは首が折られ、倒れ込む男を見て、それが鬼の仮面をつけていた男だと把握すると、魔法陣から魔帝神剣を取り出すと、鬼の仮面をつけていた男に突き刺す。
「……この剣の事を覚えているか?」
「……これも因果だな」
魔帝神剣に刺された鬼の仮面をつけていた男は不適な笑みを溢すと、体中が腐敗していき、やがてその体は朽ちていった。
「最後は君に譲るべきだったかな?」
「必要無い。思う存分殴った。もうそれで良い」
「……所有者が死んでも、効果は続いているね」
ジークは黒いオーラを辺りに広がっていくのを見て告げる。
この黒いオーラによって、[レジスタンス]の名は日本中に知れ渡る事になる。