第1017話 雷神の光輝(ライトニング・ブライト)
明神は無数の羽を操作し、ひょっとこの仮面の男の体中に覆い被さる様に配置させる。
「君の透過は一定の時間に一定の量の体を具現化させなければ、ならないだろ?」
「……知っていたか」
「君の体中に配置した羽は君の体が具現化した時、感知してその箇所を貫く、もう貫かれ始めているね」
長時間、透過出来ないひょっと仮面の体は明神が操作する羽によって、貫かれ続けた。死ぬその時まで
「……ひょっとこの仮面はもう動けないだろうし、チーム[雷帝軍]として動こう」
チーム[雷帝軍]のリーダー橘強絶は東京本部副局長として、この病院にチームメイトである明神を送り込んだのは、理由がある。
「……ひょっとこの仮面の回収は済んだけど、強絶はひょっとこの仮面何て持ち歩きたく無いだろうな。違う仮面も探そうか」
明神は病院内を探し、始める。
ーーーーーーーーーーーーーー
病院内に侵入を果たしていたチーム[輝き]のリーダーである保志和輝は病院内を歩く中、チーム[輝き]のメンバーを死を目撃していた。
「……お前か?」
和輝は目の前に現れたおかめの仮面を付けた女に確認を取る。
「いかにも、殺しました」
「……人が手を差し出すのは、救いだけで良い。どんな理由があろうとも、その手で人を殺して良い理由なんてこの世のどこを探しても無い」
「目の前で人を殺されて、貴方は殺さないと」
「そうだ。何故、お前は殺せた?」
「私に向かって来たので」
「……殺される為に産まれる訳ではない。皆、幸せになる為に、大事な人を思い、自身の周りを幸せにするために、日々奮闘するんだ。……お前が何者なのかはしない。だが、ここで倒そう」
「殺すの間違いでしょ?」
「その考えが間違いだ。俺は誰も殺さない」
おかめの仮面を付けた女がおかめの仮面に手を触れ、仮面に宿された神器を取ろうとしたその時、おかめのの仮面を付けた女は和輝に殴られ、後方に吹き飛ばされていた。
「……光と共に雷撃の一撃を与える。それが俺の異能雷神の光輝。お前は俺の速さに追い付けない」
和輝の言うように、おかめの仮面を付けた女に和輝の速さに対応出来る能力は無い。
それはおかめの仮面を付けた女が単純に対応するのが、遅かった訳でも、気を緩めていた訳でもない。和輝が早すぎるのだ。
雷神の光輝は動き際に自身の体に電流を流し、高速で移動や、雷を体から放出させる事が出来る異能であるが、この異能での移動は体に流す電流の量と体を巡らせる早さを間違えると、自身の体が壊れる可能性がある。その異能を和輝は完璧に扱っていた。