第101話 手合わせ
午後になり、東京本部の高校の体育館に全校生徒が集められていた。
そう今から北海道支部との交流会の目玉とされる。手合わせがある。これに関しては他人事には言えない。何故なら俺が戦うからだ。
俺の対戦相手は神田翔。
神田家の人間で、肩に雷を帯びたケルベロスを乗せた男だ。
神田家の人間は雷属性の魔法の使い手らしく、多分神田翔も使うだろう。
最初の戦いが始まろうとしていたが北海道支部の棄権が言い渡された。
三年生の戦いは見れなそう。
三年生の代表は橘強絶さんだ。
どんな戦いをするのか見てみたかった。
二年生の北海道支部代表は来ていないらしいく……
「次は俺か……」
「頑張って」
舞は笑顔で送り出してくれた。
「廉、気を付けて」
「……あぁ」
紫音は心配そうにそう告げた。
俺は二階にから一階に降りて体育館の中心に向かう。
二階は観戦だけの為にある観客席にギャラリー達が座っている。
「木山君頑張って」
担任の先生は体育館の隅から応援してくれた。
「はい。頑張ります」
しばらく、待っていると、やって来た。神田翔。
「すみません。少し待たせました」
「嫌、別に」
「ベロスが何処かに行ってしまって」
「ベロス?」
俺が聞き返すと神田翔は肩に乗っているケルベロスの頭を撫でる。
……ベロスって、ケルベロスの名前か。
それにしてもあのケルベロス……
「そのケルベロスって本物か?」
「う~ん」
神田翔はしばらく考えると答える。
「これはたまたま、僕の雷属性の魔法と僕の能力を錬金術で合わさった状態がケルベロスになってしまったんだ」
「詰まり、それは何だ?」
理解が追い付いていない。
「簡単に説明すると、賢者の石を利用した方法何だけど……説明が難しくてね。戦えば分かると思う」
「そうか。まぁそこに関してはやらないといけないしな」
審判をするのか先生が駆け寄って来る。
「二人とも準備は良い?」
先生は俺と神田翔に確認を取る
「大丈夫ですよ」
神田翔は直ぐ様答えた。自信があるんだな。
俺も答えよう。
「俺も大丈夫です」
先生は頷く。
先生は手にしているマイクで手合わせの開始を始める。
「それではこれより、東京本部一年生代表木山廉と北海道支部一年生代表神田翔の手合わせを開始する」
手合わせの開始の宣言と共に俺は距離を取る。
神田翔は動かない。
俺から仕掛けるか?
どうする?
先ずは炎神の魔武器を発動させる。
俺が造るのは銃だ。
作り出した銃は炎に包まれている。
先ずはこの銃で様子を見る。
俺は銃口を神田翔に向ける。




