第1009話 虹色の銃(レインボー・ガン)
天舞音は手元にある鏡を地面へと落とす。その鏡は虹色の仮面の女の姿を捕らわれており、その鏡が割れた事によって、割れた箇所と同じ箇所を虹色の仮面の女も受けていた。
「……」
「体が割れる痛み、引きちぎれそうだったでしょ?」
「……」
「私もこの痛みを受けたからこそ、分かるわ」
虹色の仮面の女はゆっくりと動き始めると、銃を自身の額まで持って来ていた。そんな銃の引き金に指をかけた時だった。銃が凍りついたのは
「敵だからと言って、死ぬ所で見過ごす事は出来ない」
「……甘いわね」
虹色の仮面の女の動きを完全に止めた事によって、二人は病院内へと侵入を果たす。
「愚か、愚か、愚かです!」
虹色の仮面の女は何事も無かったかの様に立ち尽くしていた。
「……あの長い金髪の女……青髪の男……私が、殺します!」
虹色の仮面の女は虹色に輝き出した銃を握ると、銃口を病院へと向ける。身動きを封じられた虹色の仮面の女が脱したのは、この虹色の銃の力を使い、氷を石化させ、脆くなった氷から脱した。
「……それ、虹色の銃でしょ?私に頂戴」
虹色の仮面の女の背後を取った女は手にした銃を虹色の仮面の女の頭に銃を向けていた。それによって、虹色の仮面を付けた女は動きを停止していた。虹色の仮面の女に銃を向けたのチーム[輝き]の副リーダー花城一華だった。そんな一華が手にしている銃は流星残骸銃と呼ばれる神器であり、この神器は一華の異能であり体内に宿るものである。
「この銃は星に関する事柄なら引き金を引くだけで、発生させる事が出来る。単純にこの引き金を隕石が衝突した位のダメージを与える事も出来るのよ」
「……それだけの威力を発生させるとなると、貴女にもダメージを受けるのでは?」
「……この神器を宿す私はこの銃に受ける影響は一切受けないのよ。私は」
「では、この病院は?」
虹色の仮面の女の言う通りである。病院を守りに来たチーム[輝き]が病院を破壊したとなれば、チーム[輝き]の信用は失われる。しかし、一華は再び銃の引き金に指を添える。
「言ったでしょ?威力して分かりやすいものを言っただけで、それ以外にも出来るわ。病院を一切壊すこと無く、貴女を仕留める方法は幾らでもある」
一華は引き金を引く。銃口からは星で連ねた縄が出現すると、虹色の仮面の女は拘束される。
「……一応、言っておくけど、虹色の銃の石化でも、この縄はどうにも出来ないわよ」
虹色の仮面の女は虹色の銃の効果を使用しても、対処出来ない事から大人しく膝をつく。