第1008話湊斗、天舞音
廉、紫音、勇治の三人は斑の仮面の男を退け、病院内に侵入を果たしたその時、湊斗、天舞音の二人の目の前に虹色の仮面を付けた女が立ち塞がっていた。
しかし、虹色の仮面の女は鬼の様な姿をした者に戦闘を任せ、虹色の仮面の女は腕を組み、仁王立ちしていた。
湊斗は能力であり、体内に宿る神器、氷神雪剣を手にする。
剣術に長けた湊斗の神器は氷神雪剣であり、氷、雪、水を自在に操る事が出来る湊斗にとって、鬼の様な姿をした者等では湊斗を倒す事等出来るわけも無く、鬼の様な姿をした者達は湊斗に瞬殺されていく。
「見事な手際ね」
湊斗の活躍をただ見ていた天舞音は取って付けた様な台詞を吐いていた。
「勿体無いお言葉を」
「……後はあの虹色の仮面だけね」
一人残った虹色の仮面の女は組んでいた腕を仮面へと触れさせる。すると、虹色の仮面から銃を取り出す。
「……排除」
虹色の仮面の女は銃の引き金を引き、虹色のオーラを放出させる。湊斗は咄嗟に氷神雪剣を振るい、氷の壁を一瞬で築いた。しかし、虹色のオーラが氷の壁に接触すると、氷の壁は石化するしそれを砕きながら湊斗へと向かって放出されていた。湊斗は氷神雪剣を地面に突き刺し、足場を凍らせて、氷を伸ばし上空へと逃げる事に成功すると、直ぐ様に氷の足場から飛び降りていた。虹色のオーラは上空まで伸びた氷の足場を石化し、破壊すると、止まること無く、放出を続け建物も石化させ、建物を崩壊させていた。
「かなりの距離まで届くのね」
虹色のオーラを放出させる銃の射程距離を把握した天舞音は鏡の国の支配者を発動させ、鏡を虹色の仮面の女の目の前に出現させ、その鏡に虹色の仮面の女の姿を捕らえさせた。鏡に写った虹色の仮面の女を取られた鏡を殴り付けた天舞音は周囲に無数の鏡を出現させていた。一方、自身の姿が写った鏡が破壊された虹色の仮面の女は鏡の割れた箇所と同じ場所にダメージを受けていた。
「……?」
「理解出来なかった様ね。私の異能によって、鏡に写った者をその鏡に留め、破壊すれば、記憶破壊や相手の体の内部破壊、身体破壊を可能とするのよ。……この意味が分かる?」
虹色の仮面の女は直ぐに理解した。周囲にある鏡は全て、自身の姿を捕らえており、このままでは再び鏡を割れ、ダメージを受ける事になることを。だからこそ、虹色の仮面の女の行動は早かった。手にしていた銃を鏡に向け、引き金を引こうと試みた。しかし、天舞音の行動の方が早かった。