第1007話 斑の仮面
三人が連携を取り、斑の仮面との戦闘を開始していた。
紫音は氷神の花畑を発動させ、辺りの足場に氷で造られたツルを配置していた。
これにより、斑の仮面の動きを制限する目的であり、動きの早い斑の仮面に攻撃が当たる様に常に動かし、斑の仮面の足に絡まる様に紫音は動かし続けていた。
「これで斑の仮面の動きが読みやすくなった」
先程よりも戦い安くなった事を喜ぶ廉だったが、勇治だけは違った。
「佐倉紫音、斑の仮面の本体を出きるだけ、狙ってくれ」
「はい!」
勇治の指示により、紫音は足元のツルの状の氷の操作をしながらも、斑の仮面の本体を氷付けにすることを狙う。
斑の仮面を付けた男は問題無く、足元の氷を避けながら、三人の元へ接近していた。
勇治は即座に背中に背負っている長い刀、物干し竿を抜き、斑の仮面の男の動きに合わせて、勇治は動く
「秘剣、燕返し!」
何十回も繰り返される斬撃は相手の動きに合わせ、相手の動きに合わせ、逃げ場を無くしてから、確実に一撃以上の攻撃を与えるものである。しかし、斑の仮面は早すぎる動きで見事にかわす事に成功していた。だが、勇治が放った秘剣、燕返しは一人の人間が存在出来るスペースは無く、最低でも数撃は当てる事が出来る奥義である。だからこそ、勇治は素早く動き斑の仮面の男が身体能力を越えた動きである魔法、能力、異能を利用している可能性に至る。勇治はどの様に斑の仮面が攻撃を回避するのかを確かめる為、廉に攻撃を頼む為、廉の隣に移動していた。
「……あの男の周囲に炎を出現出来ますか?」
「炎神の魔剣なら可能ですよ」
「お願いします」
勇治に促されるまま、廉は手にしていた炎神の魔剣を振るい、炎を斑の仮面の男へ向け、放つ。斑の仮面の男は一度右に避けようとしたが、即座に背後に移動していた。
「……自身の行動や考えに左右されずに自動回避をしている様だ。この能力は一度目にし、倒した相手だ。自動回避の弱単はこの一撃でつける」
勇治は一瞬で斑の仮面の男の元に移動すると、素早く物干し竿を振るう。
「秘剣、時空崩し」
勇治が振るう早すぎるその剣撃は空間を歪めさせ、逃げた斑の仮面の男がその空間に留められていた。歪められた空間に居る斑の仮面の男の手足はネジ曲がり、行動を制限させた後、直ぐに勇治は物干し竿を振るい、一撃でその戦いを終わりにさせた。
「……剣術だけで、空間に干渉させるなんて……能力で逃げる隙を与えなかった」
強すぎる勇治の力を再び目の辺りにした紫音は自身が目指す剣術の強さがそこにあると確信していた。