第1005話 集いし[レジスタンス]
玲奈が入院する病院にチーム[マスク]が現れた事によって、佐々木勇治、有栖川天舞音、佐倉紫音、氷川氷、佐倉湊斗、木山廉は病院を目指していた。そんな中、突然魔法陣が出現する。
「……待って下さい」
先頭を走っていた勇治が魔法陣を発見と共に皆を止め、背中に背負っている長い刀、物干し竿を手に取り、構えていた。
しかし、勇治は物干し竿を鞘へと戻していた。
「ジークですか。用は済んだのですか?」
「あぁ、チーム[ヴァルハラ]でやり残した事は全て終わらせたよ」
「これから、川上玲奈の病院へと向かっている最中なのですよ」
「……佐々木、君には警護を頼んだ筈だが」
「一夜が病室に居たからね。それにこっちも色々とあったんだ」
「分かった。全員転移魔法で連れていく」
ジークが出現させた魔法陣に皆、体を入れ、一瞬で病院へと移動を終えた。
「大人数で移動をするのは、色々と支障が出来る。この七人を三チームに分ける。佐倉紫音と木山廉と佐々木勇治のチーム、佐倉湊斗と有栖川天舞音のチーム、氷川氷と僕、ジークフリードのチームの三チームに分けたい」
病院を取り囲む鬼の様な姿をした者が居る事から、否定や反論をしている時間は無く、三チームに別れ皆は三方向から責める事にした。
そんな[レジスタンス]以外にも病院に来ている人間が居た。
病院の騒ぎを聞き付けたチーム[輝き]のリーダー保志和輝がチーム[輝き]を皆を連れ、病院までやって来ていた。
病院に着いて、最初に口を開いたのチーム[輝き]の副リーダーオレンジ色の髪の女性、花城一華だった。
「……この病院、よく事件が起こるわね。呪われているのかしら?」
一華のその言葉にリーダーである和輝は否定的な意見を告げる。
「関係ないだろう。全ては襲って来るやつらのせいだ」
「関係ないね?チーム[輝き]の目的は自警団での活躍でしょ?」
チーム[輝き]は能力者育成機関に無い警察の様な活動をしており、魔法、能力、異能に関する問題等と真摯に向き合っているチームであり、一部の人間からは絶大な信頼を得ていた。
「和輝さん。どうするんですか?」
「高木……顔……近いよ」
「すみません、和輝さん……それでいかが致しますか?」
「勿論、今から救える者は全てを救う」
チーム[輝き]のリーダーである和輝のその言葉によって、チーム[輝き]は病院に周りに居る鬼の様な姿をした者の対処を行い始めた。
「……白い翼」
一華は上空に飛ぶ白い翼を目にして、思わず、声を出していた。




