第1001話 魂を切断する聖剣(ヴァルハラ)
「降魔双霊剣撃」
双剣を携えたこの状況でジークが繰り出した技はかつて、故郷から逃げた先で出会った川上道場で一目見た技、川上家が代々受け継ぎ、現在は川上玲奈の技として、知られる双剣乱舞そのものだった。
「……何故、改変出来ない?」
クラディウス・マークデウルの体を得たブリュンヒルデの体は魔帝神剣によって、体が腐敗していき、魂を切断する聖剣によって、体に定着していた魂が抜けて行こうとしていた。
「魂を切断する聖剣は切り付けたものに存在する魂を抜く力がある。普通の人間の魂程の定着がされていない君達ワルキューレの体なら簡単に抜かれるだろう」
「最後に答えろ!何故、法則改変による改変がされなかった?」
「……降魔双霊剣撃は魔剣である魔帝神剣と聖剣である魂を切断する聖剣の同時攻撃はコマの様に激しく回転する為に無の空間が生まれる」
「相反する魔と聖の力を上手くコントロールしたのか。そもそも、一人の人間が魔と聖の両方を得るのはあり得ないとされているだろ?」
「一昔前ならね。今は一人の人間の体内に相反する魔力が存在し、その両方を扱える場合がある。それでも、扱えない者も多いが」
「……アメリカ軍のスカーレット・クイーンの対極魔法もそれだったな」
「体は朽ち、体をから魂が抜けていく、この状況で良く喋る」
クラディウス・マークデウルの体を得たブリュンヒルデは一度微笑むと、変装術は解け、ブリュンヒルデ本来の姿に戻る。
「残りのワルキューレ達には、お手柔らかにね」
ブリュンヒルデは満面の笑みを浮かべると、魂は体から抜け、体は腐敗した。ジークはブリュンヒルデの魂を魂を切断する聖剣で切り付け、その魂を魂を切断する聖剣へと吸収させる。
「……ブリュンヒルデの遺言通り、ワルキューレ達、手荒な真似はしない!」
ジークは魔帝神剣を魔法陣の内部へと入れ込み、ジークが所有する空間内へと入れ込むと、魂を切断する聖剣のみで残りのワルキューレ達を倒す事を決めていた。
そして、ジークはそれを一人で達成させた。そして、その活躍はアメリカ軍のチーム[ヴァルハラ]も知る事になる。
「ベルセルク、ジークがやったようだ」
「ペルセウス、相変わらず情報が早いな」
「感知部隊が察知したもので、ワルキューレ達と、アレイスター、ラインハルトの存在まで消滅した様だ。ジークの会話も戦闘も記録されている。ラインハルト、アレイスターが裏切り者だと、ジークは知っていたようだ。そして、君も知っているとジークは言っていた。本当か?」