第10話 |炎神の魔武器《レヴァンティン》
「ここで良いのか?」
「あぁ、ここなら暴れられる」
俺はこいつー檜山仁を廃工場の跡地に連れ出す事に成功した。
あのままあそこで戦ったら舞まで巻き込んでしまう。
こいつも能力者育成機関東京本部の新入生代表だ。街中で戦い目立つのような事は避けたいようだ。
「行くぞ」
俺の右手は激しく炎に包まる。
炎はゆっくりと消えていき、右手に一つの剣を持つ。
とりあえずはこいつで様子を見る。
「てめぇ、ふざけてるのか?さっさとレヴァンティンを出せ」
目の前に居る檜山仁は怒りを露にする。
何で怒ってるんだ。
確かにこれの剣はただの燃えている剣だ。
俺の異能炎神の魔武器は俺が創造した武器を燃やして出すことが出来る。今出している燃えている剣もその1つだ。
そして俺の異能炎神の魔武器は炎神の魔剣を出す事が出来る。この炎神の魔剣は片手剣で炎は絶え間無く燃え続る。長さは普通の刀と変わらず、その他の部分は二倍位の剣だ。炎で燃え続ける剣は常に赤く、煙を出し続ける。
今現在出している剣は普通の剣と変わらず、少しだけ燃えている剣だ。
「これで十分だ」
「そうか……」
檜山仁はそう言うと右手を紅色の炎に包み込ませる。
(何だ?あの炎……普通の炎じゃないのか?)
檜山仁は右手を突き出し、炎を放出される。
放出された炎は真っ直ぐ俺に向かってやってくる。
なんて勢いだ。
俺は持っていた剣で防いでみる。
(嘘だろ……剣が持たない……避けるしか無い)
俺が持っていた剣は真っ二つになり、剣の刃が地面に落ちる。
俺は持っていた剣を投げ捨てる。
投げ捨てた剣と地面に落ちていた刃は燃えて、消えた。
俺の炎神の魔武器は形が保てなくなると燃えて消えてしまう。
俺は後ろを確認する。
(ふぅ……困ったなぁ)
後ろの壁は丸い穴を作っていた。
あの炎は俺の剣を真っ二つし、壁に穴を開けた。
直接、当たったら不味いだろうなぁ
(炎神の魔武器……俺はこの異能があまり好きじゃ無いけど……この異能を使ってでも勝ちたい)
俺は右手から炎を出す。炎は廃工場の天井に当たる程大きくなる。
「やっとレヴァンティンを出すか」
炎は緩やかに小さくなる。
俺は未だに炎に包まれている剣を檜山仁に向ける。
「レヴァンティン?これは炎神の魔剣だ。」
その剣は姿を見せる。
しかし、その剣は所々炎を灯す。
炎神の魔剣は俺の炎神の魔武器の中で最強の魔武器、この炎神の魔剣は砕けず、欠けることもない。




