人狼特殊変異個体、吸血鬼 ~元人間、人狼に喰われて死に掛けるも人狼の変異種、吸血鬼として蘇る~
世の中には二種類の人種がいる。人間か、人狼か。人類は、人を喰らう人狼とある程度の折り合いをつけている。人を模した人工肉を無償で提供し、人間と人狼は共存の道を歩んでいた。けれど、中には人工肉だけでは満足できない人狼がいる。僕を襲い、喰らったのは、そんな人狼の一人だった。全身を駆け巡る痛みに気を失い、次ぎに目が覚めたとき。僕は、大神仁《おおがみじん》は、なぜか彼らの特殊変異個体、吸血鬼になっていた。人間としての道を踏み外した僕は、それから人間でも人狼でもない、第三の種である吸血鬼として現代社会を生きていくことになる。