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4 新入社員2 (SIDE:哲郎)

 それから数日後、新入社員研修まであと3日という頃、総務の田上がビデオカメラ片手にシステム開発課へやって来た。


「やっほ~こんにちは~、急遽、新入社員向けのVTRに最新の社員の絵を追加しろって注文入ったから、撮らせてよ~。

 音声はこっちでどうにかするからいらないし、必要なところはストップモーションとかテロップで誤魔化すからよろしく~」


「はぁ? 今頃になってか? おい、それ間に合うのか? あと三日だろう?」


 誰の発案か知らないが、無茶が過ぎるってもんじゃないだろう。何を考えてるんだ、こんなギリギリになって。

 必要な素材(もの)を撮影したからってそれで済むわけじゃなし、編集する時間も出来上がった映像を確認する時間も必要だろうに。


「それは~もう間に合わせるっていうか、総員手分けして人海戦術でどうにかするから気にしないで~。

 各VTRは繋げる必要ないし~、最悪DVD焼く暇がなければ、持って行くノートPCにメール添付とかで送っておけば流せるし~?

 どうせパワポでスクリーン借りるから、多少画質落ちてもプロジェクターで映せば誤魔化せるよね~」


「最終チェックはどうするんだ、それ」


「大丈夫、研修は九時からだから、どうにかなるって~。ああ、別にカメラの周囲に集まったり、カメラ目線とかいらないから、そのまま皆いつもの作業続けてて~。

 君らが何もしなくても、僕が勝手に撮影して適当に編集するから、気にしないで~。……あっ、石田く~ん、これ、君が欲しがってた食玩。

 確かこのシリーズでこれだけ見つからないって言ってたっしょ? この前たまたまコンビニで買ったら付いてたからあげる~」


「なっ、おおっ!? 諦めていたグ×が!! 良いのか!? 本当にこの×フ貰っても良いのか、田上ぃっ!!」


 石田が飛びつくように田上から食玩を受け取り、満面の笑みを浮かべ食玩を両手で抱えて舞い踊る。


 田上はすかさずその様子を右手のビデオカメラで撮影、騒ぐ石田に釣られて笑ったりからかったり騒いだりする同僚達を素早くカメラに納めて行く。


 しかも食玩は画面には入れずに、楽しそうに和気藹々とした様子だけをターゲットがカメラ撮影されていることに気付く前に、的確に流れるように撮影している。


「……田上、お前、相変わらず策士だな」 


 半ば感心、半ば呆れつつ思わずこぼすと、田上は撮影を継続したままゆっくりと振り向く。


「やだな~、褒めないでよ~。でもあれだな~、わかってはいたけど、鴻を油断させるのは結構難易度高いな~。もっとゆるい表情見せてよ~。

 じゃないとシステム開発課にはこわ~いおっさんがいる~ってなっちゃうでしょ? 折角のPRなんだから、リラックス、リラックス~」


「ぶっ、なんだそれ。っつーか、俺はおっさんかよ? まだ二十四歳だぞ」


「鴻みたいな二十四歳が他にいるわけないじゃないか~。その体格と顔だけでも十分おっさん臭いのに、その髭はないよね~。あ~ほら~威嚇しちゃ駄目~。にっこり笑って、スマイルだよ~」


「笑えと言われて笑えるなら苦労しねぇよ、バーカ」


「そんなこと言われると意地でも笑わせたくなるな~。鴻はさ~、好きなものとか欲しいものとか、何かないの? 今なら予算三千円までなら貢いであげるよ~」


「安っ! つか三千円で買収する気かよ? 俺の笑顔の値段はその程度か、せめてもう一桁上げろよ」


「やだよ~、三万もあればカスミちゃんとデートできるじゃない~」


「おい田上、キャバ嬢に貢いでる暇があったら、普通に女口説けよ。そっちの方が建設的だろ」


「え~? 自分にできない事を僕にやらせようとしないでよ~。普通の女の子はきちんと段階踏まないとデートしてくれないけど、カスミちゃんは予約空いててお金さえ出せばデートしてくれるんだよ?

 こっちが約束守る限りは、ドタキャンとかブッチしないでくれるんだよ? 良心的だろ?」


「えっ……お前、何言ってんの? それ本気で言ってんのか? いや、そんなのが良心的とか、何を比較対象にしてるかは知らないがおかしいだろう。

 っていうか、お前、デートの約束をドタキャンとかブッチされたことあるのか?」


「連絡無しで放置されるのに比べたら、待ち合わせ五分前でもキャンセルの連絡貰える方がマシだよね」


「そんなことをイイ笑顔で言われても、どう返答すれば良いか、真面目に困るんだが」


「鴻はそういう経験ないの?」


「……聞くなよ」


 どう考えても俺が女にモテるようなタイプには見えないだろうに、そんなことを聞くとは。人に語るほど面白いエピソードがあるわけでもないしな。


「あのな田上、本当に脈のない女はそもそもデートの約束すらできないというか、連絡先の交換どころか、顔を合わせても挨拶すら返してくれないんだぞ?」


「……ごめんね、鴻。僕が悪かった」


「くそっ、謝ってんじゃねーよ! お前は良いよな、気になる相手に連絡先教えて貰えるんだから。俺なんかだいたい初対面から逃げられるんだぞ。良いなとか思う暇もねぇよ!

 家族や親戚以外の女といったいどう接点持てば良いんだよ! 人間見た目じゃないって励まされても、中身を知って貰うにはまずは出会いと交遊深めるためのきっかけがないとどうしようもねぇよ!

 俺が悪いんじゃねぇ! 世の中には努力じゃどうにもならない大きな壁があるんだ!」


「うん、わかった。鴻、そのうち暇ができたら合コンしような? 僕に紹介できる女友達はいないけど、総務の子をなんとしてでも口説き落としてお願いするから」


「有り難う、田上。お前は最高の友人だ」


 そう言って笑うと、田上は暫くビデオカメラ越しに俺を見つめた後、何故か深い溜息をついた。


「どうした? 田上」


「……いや、さ、どうせフライだと思って打った球が、どういう奇跡か相手チームのエラーでヒットになって味方のエンドランでさよなら勝ちが決まったら、こういう気分かなって思ってた」


 そう言いながら、ビデオカメラを下ろして録画を終了させて、レンズなどを軽く拭いてから、首に掛けていたケースに仕舞う。


「はぁ? なんだそれ」


「まっ、いいや~。目的のものは撮れたし、ちゃっちゃと持ち帰って編集するよ~。他にもしなきゃいけないことはいくらでもあるし、早いとこ終わらせないとそろそろ決算報告も上がって来るし~」


「おう、頑張れ。応援しかできないけど」


「ああ、そうだ、鴻。研修前日、休みの日で悪いんだけど設営準備手伝ってくれない? 予定していたアルバイトが何人かドタキャンしちゃって困ってるんだ」


「前日? 日曜か。良いぞ、サーバのメンテとチェックは下村(しもむら)の当番だから、朝から空いてる。どうせ家にいても寝るだけだ」


「助かる~っ、さんきゅ~、鴻! じゃあ、小清水課長に話通しておくよ。ジュースかコーヒー、好きなの奢るから」


「せめて昼飯代出すくらい言えないのか?」


「ダメダメ、三月四月はイベント目白押しだから色々入り用なの~。どうしても奢って欲しいなら、ボーナス前後くらいに声掛けて~。

 鴻には色々世話になってるから、暇な時なら昼でも夜でも良いよ~」


「別にお前に世話した覚えはないが、奢ってくれるのならいくらでも。お互いの都合が合うならな」


 俺がそう返すと、田上は苦笑した。


「鴻のそういうとこ、バカなのか大物なのか、判断に迷うな」


「なんだ、喧嘩売りたいのか? 忙しいならさっさと行け。こっちも仕事があるんだ、邪魔するな」


「はいは~い、皆、協力ありがと~ね~っ! じゃあ、これで失礼しま~す。総務に来ても僕はいないかもしれないけど、何かあったら言付けといて~。

 たぶん二十一時頃までは、社内のどこかで作業してるから~。スマホはデスクの上だから、帰る直前まで連絡つかないから気を付けて~」


 スマホ持ち歩くと余計な仕事が飛び込みかねないから、集中して作業したい時はわざと電源落としたり、マナーモードで放置したりするよな。

 本当に急ぎの場合は、直接探しに来るか、取り次ぎされるだろうし。


 中小企業ではありがちだけど、本当に年末年始と決算期はキツイ。自分の仕事が忙しくなると視野狭窄に陥りかねないから、余計にヤバイ。


 頼むから皆、風邪やその他感染病にはかからないでくれよ。



   ◇◇◇◇◇



 研修前日の設営準備は確かに了承したけど、どうして俺はその翌日も朝から重い機材──プロジェクターとかLEDライトとか三脚とか──を運ばせられているのだろうか。


「……田上の野郎、謀りやがったな。しかも会社駐車場に五時集合とか、聞いてねぇよ」


 おかげで弁当持参できなかったし、朝食抜きでコンビニでおにぎり買う羽目になったし。


 今日はこれを運んで指定の場所に設置すれば職場に戻れるけど、最終日の撤収作業も手伝わされるとか聞いてない。

 しかも上司に『総務の田上くんに設営の手伝い頼まれたんだって?』って聞かれて肯定したら、前日だけのはずが何故か研修初日と最終日も手伝う予定になってるとか、有り得ない。


 くそっ、どうしてあいつはこんな回りくどいことするんだ。どうせなら直接俺に頼んでくれれば、もう少し気持ち良く手伝ってやるかって気持ちになれるのに。


 俺だってそうそう暇じゃないし、できないことはできないと言って断るが、あいつが本気で困ってたり助けて欲しいと思ってるなら、自分に可能な範囲でどうにかしてやるのに、こんなハメられ方したら気分悪くなるだろうが。


 なんであいつは素直に助けてくれって言えないんだよ。あーもう、くっそ腹立つ。人に物を頼むなら、頼み方ってものがあるだろう。

 最低限の仁義ってやつは大事だろう。誠意が足りない。そういうのって嫌われる元だってのに、何なのあいつ。


「ちょっと鴻~、そんな鬼みたいな顔して作業してたら、皆ドン引きだよ~? ほら~、お前の周囲だけ人がいなくなってるじゃない~」


「……誰のせいだと思ってんだ、田上」


 良くもまぁ、能天気な顔して俺の前に顔を出せたもんだな、おい。


「お前はいい加減、人に何か頼みたいことがあったら、その内容は正確に伝えてきちんと相手の了承を取るってことを覚えろよ」


「ごめんね~、言質が取れれば十分かなって」


 男にテヘペロとかいう顔で言われても、イラッとするだけなんだが。


「あのなぁ、まっとうに頼みさえすればこっちも快く了承してやれるのに、人を騙すようなことはするなって言ってるんだ。

 別に無償で手伝わされたからといって、根に持ったり恩に着せたりしねぇから、具体的に何をして欲しいか全て話して『お願いします』って言うのは、人間として当然のことだろう?」


 俺がムカついてるのは、そういうことだし。


「あー、悪い。正直に話したら断られると思って。……すまなかった」


 そう言って頭を下げた田上に、苦笑する。


「お前なぁ、人を見くびるのもいい加減にしろよ。そんなことばっかりしてたら、その内友達なくすぞ。まぁ、今回はコーヒー奢れ。それで許してやる」


「え、マジで?」


 本気でビックリした顔をされた上に、かなり素っぽい反応されるとか、こっちの方が心外だ。


「いや、マジでも何もそれで良いから良いって言ってるんだ。けど、これからはちゃんとしろよ。お前だって根回しって言葉の意味はわかってるだろう?

 中途半端なことはするな。やるなら手を抜かず完璧にやれよ、バカ」


 そう言って睨んでやったら、田上はヘラリと笑った。


「完璧にやれるかどうかはともかく、次からは気を付ける~。本当ごめんね~。もう騙したりしないから安心してね~」


 ……ちっとも安心できないんだが。



   ◇◇◇◇◇



 そういうわけで通常の業務の合間に、新入社員研修の手伝い──主に荷物運び──をする事になったのだが、そのせいで普段は歩き回ることのない時間帯に社内を歩くことになった。


 そうして実際歩いてみて思ったのだが、もしかして喫煙習慣のあるやつって業務時間中に結構な頻度で喫煙室出入りしてないかとか、そうでなくともシステム開発課(うち)以外の連中って事務職とかでも頻繁に部屋の出入りしてるよなとか、休み時間じゃないのにトイレ休憩とか飲み物淹れに行くやつ多くないかとか、そういうことに初めて気付いた。


 そうなると俺って業務時間中に仕事し過ぎとか思われてるんじゃないか、とか。いや、業務時間中に仕事するのは普通だよな?


 一応熱中症とか脱水症状にならないように水筒やペットボトル持ち込みしてるし、平日昼は寝坊とか特別な事情がない限りは毎日家から弁当持参だし、うちの部屋のすぐ側にトイレがあるからそうそう時間なんて掛からないし、おかしくはないよな。


 そう思うものの、業務時間中にこれほど通路や階段で人の姿を見掛けるということには正直驚きだ。

 書類とか商品サンプルとか運ぶのは当然だ。でも、そういうわけでもない連中がこれほど歩き回っているだなんて、ちっとも知らなかった。


 今年で五年目になるっていうのに、今更知らないことがあるだなんて思わなかった。俺はもしかして、データでしか社内のことを把握できてないのかも、と考えてもみた。


 ところで、データ通りなら今頃外回りしているはずの営業が何故か社内にいるんだが、どういうことだろうか。

 おかしいよな、だって今、十五時回ったところだぞ。この時間帯ってデスクワークの連中はともかく、外回りの連中は仕事してなきゃおかしくないか?


 俺の感覚がおかしいんだろうか。疑問に思いつつ階段を降りきったところで、話し声が聞こえてきた。

 一階東側階段のそばには、自販機などがそばにある喫煙所がある。ここにもいるのかと溜息をつきつつ、そちらへ行かないと外に出られないので、歩を進めようとした。


「……今年の新入社員は、結構当たりだよなー」


「そうか? 毎年あんなもんじゃね?」


「まぁ、去年よりは人数は多かったかな。でも、ほら、一人結構可愛い子いただろ?」


「可愛い子? マジで? どんな感じ?」


「お前好きだなー、そういう話。ほら、あの前の方の席に座ってたセミロングの内巻き、音無(おとなし)(みお)


「何だよ、お前、名前までチェックしてんのかよ? もしかして狙ってんの?」


「そういうわけでもないけど、壇上立つと真面目に聞いてメモ取ったりしている子とか、つい目に入るよね。それがさ、スマホアプリでいちいち録音してるんだよ。

 それで休み時間になるとそれをイヤホンで確認して、こまめにバックアップ取ったりしてるの。研修で何度か講師役とか補佐とかで顔出してるけど、あんな新人、初めてみた」


「はー、何それ。すっげ真面目ーっ。つかそれが可愛いの? いかにも真面目優等生風とかじゃなく?」


「髪型や服装とか化粧見る限りでは普通に可愛いよ。とりわけ美人ってわけでもないけど、あんまり人とつるまない感じでおとなしそうで、そこそこ可愛いんじゃないかな」


「へー、じゃあ、男に免疫のない箱入りのお嬢様って感じ?」


「どうかなぁ、まぁ、見た感じ服とかアクセサリとか持ってるものからするとそう見えるけど、外から色々想像するより、実際に本人と直接話してみないと詳しいことはわからないよね」


「え、マジでお嬢様なのか?」


「だから見ただけじゃ断定はできないって。まぁ、ちょっと古いけど手入れのされたロ○ベのバッグ持ってたり、ティ○ァニーのティアドロップペンダント持ってたりしたから、貧乏ってことはないだろうけど」


「はぁ? マジかよ、それ。どう見ても金持ちだろ。つーかそうなると、普通の男が口説いても無理そうだな。高嶺の花ってやつ?」


「それはどうかな。だいたいそういう、男が一目見て無理そうって諦めるタイプって、意外と口説かれ慣れてなかったりするから、案外甘い言葉でコロッと転ぶんだよな」


「はぁ? このクソイケメンが、自慢かよ? 何、俺なら多少無理目の子でも簡単に落とせますとか言いたいのかよ」


「そんなことは言ってないだろ。ま、俺に落とせない女はそうそういないけどね」


「うっわ、ムカつく~っ! よし、わかった。お前がその子を三ヶ月で落とせたら一万円払ってやる」


「は? 何それ。お前いったい何バカなこと言ってるの?」


「だってお前、落とせる自信あるんだろ? それともできないのかよ?」


「そりゃできなくはないけど、俺はそういうので社内の女口説くとかあり得ないな。後が面倒だし」


「やっぱり本当は自信ねぇのかよ。お前は口ばっかりだな、高坂(こうさか)


「どういう理屈だよ。っていうか、不満や文句だけは一丁前のお前にだけは言われたくないね。口ばっかりなのは、お前だろ、富永(とみなが)

 それとも本気で俺に喧嘩売ってるのか?」


「うるせぇ! だいたい自分なら落とせるとか言っておいて前言翻すとか、本当お前は卑怯だよ。見栄っ張りで格好つけでビッグマウスで、自分のせこさや小心なところを隠そうとしてるけど、そういうの見え見えなんだよ、バーカ」


「はぁ? 黙って聞いてれば、好き勝手言いやがって。何なの、お前? お前は俺にそれだけ言えるようなものがあるわけ? 人をこき下ろして蔑みたいなら、結果を出してから言えば?

 結果出せずにただ喚いたって、負け犬の遠吠えってやつでしょ、格好悪い」


 どうしたものか。ちょっとうっかり立ち止まったら、出て行きにくくなったんだが。っていうか、なんでこいつらこんなところで大っぴらに口喧嘩してるんだよ。しかも、すっげえくだらない内容。

 少しは保身とか、羞恥心とか、外聞とか考えろよ。どうすんだ、これ。


「あー、はいはい、どうせ俺は格好悪いですよ、お前と違って普通だし? 高坂くんはイケメンで女にモテてて大変ですねー。俺にはわからないイケメンの悩みがあってさぞや苦労してるんだろーねー。

 本当ムカつくわ」


「何、モテない男の僻み? 自分がモテない理由を人のせいにしないでくれる? だいたい狙った女の気も引けないとか、営業なんかやってても成果が出るわけないよね。

 それってつまり、ターゲットの欲しているものとか要望を察することができなくて、相手の気を一時的に引くことすらできなくて、信頼得ることも約束を取り付けることもできないんだから、どうしようもないよね」


「てめぇ……っ!」


 あー、これは長引きそうだな。仕方ない、他から回るか。ちょっと遠回りになるけど、逆側の階段から出よう。本当に勘弁して欲しい。

 しかし、なんでこいつらこんなアホな理由で喧嘩してるんだ。全く理解できない。

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