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ネオセパ 宇宙観

The SEPAKTAKRAWs「ネオセパ!(仮題)」における宇宙観


Ⅰ.無の意思

 昔々、宇宙開闢以前。

 我々人間が「無」と呼ぶ、姿の無い者にも意思があった。

 「無」は、自分が何者なのか知りたかった。

 宇宙空間にポツリといたら誰だって、自分が何者でどこから来てどこへ行くのか知りたいはずだ。

 「無」とて同じこと。


Ⅱ.創造

 「無」は自分の存在を確かめるべく、存在したり消えたりして振動し始めた。

 自らに変化を起こすことで自分の正体を探っていく。

 周期や強弱の不規則な振動を繰り返すことで、広がる波の波長が重なり合い、干渉地点に複雑な力が発生し、物質、質量、空間が生まれた。

 これが我々の「宇宙」であり、宇宙の全てが波で出来ている理由だ。

 宇宙は「無」の思考実験場なのだ。

 宇宙における「知りたい」という欲求は「無」の望みであり、宇宙全体を満たしている。

 そのため宇宙に存在する全ては、生まれながらにして探究心を持つ。


Ⅲ.生命

 新たな発見をするために新しい生命を生み、古き生命は消す。

 栄枯盛衰もただの波でしかない。

 森羅万象に寿命が存在するのはこのためであり、生に固執して喜ぶことも悲しむことも本来は不要なことである。


Ⅳ.知のエントロピー分布

 知識にも熱量が存在し、蓄積していく知は空間を満たすが、急激な知のエントロピー増大に空間が耐えられなくなる事案もある。

 エントロピーの増大に耐えられなくなった空間は自己崩壊を起こすため知を消去するか、しばらく休眠させなくてはならない。


Ⅴ.次元管理者

 各惑星には多次元パラレルワールドがいくつか用意されているが、一つの惑星で同時に複数の次元は活動できない。

 「無」は各惑星に次元管理者を置き、知のエントロピーを管理させた。

 次元管理者は知的生命体の科学と精神、文明と文化のバランスが保たれて進化しているかを監視し、次元を入れ替えたり休眠させる能力と権限を持っている。

 進み過ぎた文明を次元ごと休眠させて入れ替えたり、時には次元そのものを消滅させて、惑星空間の自己崩壊を防いでいる。

 これは精神の未成熟な生命体が手に余る科学力を持ち、いたずらに世界を破滅させるボタンを押したりする愚かな真似も防ぐ。

 休眠させられた次元は知の熱量を若干損失し、世界規模の記憶の欠落や物質の風化、文明のわずかな退化を起こす。

 次元管理者自身も、定期的に新陳代謝している。


Ⅵ.文明のミッシングリンク

 次元の休眠や復帰が行われたことは、それぞれの次元の代表である極一部の人間を除いて、住んでいる者には認識ができない。

 しかし、次元切り替え時におこる次元相互干渉や文明の退化は、曖昧な記憶の欠落とともに、惑星に痕跡を残すことがある。

 これがミッシングリンクやオーパーツである。

 巨石建造物が現存するのに、それを造っていた先史文明の記録が残っていなかったりするのは、まさに別次元が休眠した証である。

 オーパーツは次元切り替え時に起こった次元相互干渉による別次元からの落とし物だ。

 休眠させられた次元は物質層から切り離された論理層だけとなり、非常に曖昧でスローリーな世界になってしまう。プログラムの裏タスクに似ているかもしれない。

 あまりにも休眠期間が長い次元は徐々に衰退し、自然消滅してしまうこともある。


Ⅶ.人類次元と獣人次元

 地球には我々人類が住む次元の他に、獣人が進化を遂げた次元が存在している。

 地球担当の次元管理者は、頃合いを見て人類次元と獣人次元を小まめに切り替えてきた。

 人類と獣人それぞれに代表チームを選出させ、スポーツの勝敗で次元の切り替えを判断している。

 なぜスポーツなのか、それは次元管理者の個人的な趣味としか言いようがない。

 現行次元での事故や不正、暗殺などから管理者を守り、またお世話をする付き人が数人、休眠次元側から選出されている。彼女らは巫女と呼ばれている。


 本作品は、その次元切り替えにまつわるスポーツの物語である。


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