1/14
16歳の誕生日
それは僕が16歳の誕生日を迎えた朝のこと。
母「起きなさい、私のかわいい太郎や。この日のためにあなたを立派な男の子に育てたつもりです」
母さんが突然訳の分からないことを言って、僕を叩き起こした。
母「これからお父様の元に行って旅立ちのお許しを得るのです。さあ、ついていらっしゃい」
母さんは有無を言わせず僕の腕を掴んで部屋から連れ出す。階段を降りて居間に入ると父さんがいた。
父「敵は魔王バラゴンじゃ! 倒してまいれ!」
父さんも訳の分からないことを言った。そして5000円札をくれた。
父「それで装備を調えるがよい。太郎、おぬしはバラゴンを倒すまでここに戻ることまかりならん。使命を果たし再びまみえることを楽しみにしておるぞ」
こうして、僕は旅立つことになった。