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L85A2と世紀末(試作号)

作者: 大宮忠義

どうも。こちらは個人的には凄く好きなのですが、プロット的に色々と不都合が出来まして、今後出る予定のL85A2と世紀末の試作ということになりました。簡単に言うとボツ作品ですが、そのまま削除するのも忍びなく。試作であり、まだプロットと設定を完成する前なのでここで出る要素の数個は連載版には出ない予定です。

 佐藤太郎は内装が白いカプセルの中で目を覚ました。彼の手には見慣れた英国陸軍の制式小銃、L85A2があった。


「ここはどこだ。何故僕はL85A2をもっているのだろう」


 もっともな質問ではあったが、誰も答えてくれるわけではなかった。カプセル内を見回して、佐藤は色々な装備がカプセルの中を飾ってあるのが見えた。そして彼の目の前には透明なオーヴァル状の窓があるのだが、ノートが貼ってあった。


「何々、『ちなみに君の名前は佐藤太郎だ』いや、まぁ、思い出させてありがとう。『今、君が読んでいる時点ではカプセルがきちんと動作しているのなら世紀末な世界になっているだろう。未来なのか、平行世界なのか。他の惑星か、またはただの夢なのかは自分で決めなさい。注意すべき事はこれは危険な世界だ』なんじゃらほい」


 佐藤はすこし戸惑ったが、これ以外に情報をくれるものはない。しかも、実際このノートが教えてくれるまでは自分の存在が分からなかったし、今でも過去のことは分からない。知識はあるのだが、これは余計に佐藤を混乱させた。ノートを読み終わったと思ったらノートの文字が消え、また新しいのが出てきた。


「うわっ。ビックリした。ただの紙だと思ったのに。えー、なんだ『ちなみにこれは紙ではない。少々特別なノートだ。君に必要なことは基本これに書いてあるし、時々助言するだろう。壊すことは出来ないが他人から見ればただの紙切れになりきれるノートだ。これを書いている著者が著者であり著者ではない。あまり深く考えると死ぬぞ』いや、死ぬぞといわれたら余計に気になるのだが」


 佐藤はノートを剥がして破ろうとしたが、普通の紙のように折れたり曲がったりするだけで破らない。折った後、また広げたら折り目が無くなった。少々特別であることを確認して佐藤は続けてノートを呼んだ。


『このノートは地図であり、図鑑でもあり、時々変なことが起きたら助言はする。しかし、人工知能を搭載しているわけではない。ま、経験を積めばこれの使い方も自然に慣れてくるだろう。さて、次は今の君の状況だ。これは少々特別のカプセルでね。武器が入っている。そう、L85A2だ。その他にはこの世界では少し生きやすくする為の装備がある程度入っている。君の下のほうにボタンがあるはずだ。赤いやつだ。今は緑のやつを押すな。押したら後悔する前に死ぬぞ』

「また死ぬぞかよ。うわ、ボタンでかいな」

 

 佐藤はそのまま赤いボタンを押す。実際には何も起きなかったが数秒経ったら佐藤の背中、そして背骨の各所に注射器の様なものに刺された。あまりの痛さに佐藤は叫ぶこともできなかったが一瞬にして痛みが消え針もカプセルの中へと収納される。そのあと背中に違和感を感じ、高速回転の音を佐藤は聞いたが何が起こっているのかがわからないからじっとしている。そこでカプセルから機械的な声が出た。ちなみにそのとき佐藤は自分は今、完全に裸であると確認し、少々痛みのこともあり戸惑っていた。


「佐藤太郎と確認。肉体改造終了。装備初期化。点検中……点検終了。装備最適化終了」


 佐藤はカプセルがさらっと肉体改造と宣言したからぎょっとなったが別に体に異常が無いと感じた。逆にさっきからのだるい感じ無くなったからナノマシンやら何かで肉体強化したものだと佐藤は解釈。そこでノートが自己主張をしているかのように光りだし字がまた並び始めた。


『では佐藤君、君は裸で恥ずかしいだろうからこのカプセルから出た後、服装などが入っているロッカーが横にあるからそこから取りなさい。ちなみに君の推測どおり、ナノマシンやら何かで肉体強化だ。あと、神経とリンクする装備の為、ポートも少々入れ込まれただろう。君の生活がさらに快適になるぞ、とくにこの状況で。あとは、自分の体に慣れるためストレッチとかしたほうが良い。それらが終わったらまたノートを見てくれたまえ。あ、その前に装備が自動的に君に装着し始めるからビックリしないように。さぁ、緑のボタンを押したまえ』


 佐藤が実際、選択肢が無いため緑のボタンを押した。押した後、機械の駆動音が鳴り、カプセルも「ドアが開放されます。ご注意ください」 というアナウンスを繰り返す。佐藤が起き上がろうとしたら背中に金属の合体音が聞こえ、そのあと機能がありそうだけど以外にと薄く細い腕輪や、足のほうにも似たようなものが付いてきた。カプセルのドアが完全に開放したらL85A2を抱えながら佐藤は外に踏み出した。彼は別に寒いや暑いとは感じなかったが、これは肉体強化のお陰だと佐藤は気づかずに周りを見渡す。


 彼の目の前には殆ど何も無い荒野で、少し赤みのかかった砂が地平線まで広がっていた。所々丘があったりしたが砂が沢山あるだけ。佐藤が自分より大きいサイズのロッカーを探したが開け方が分からなかった為途方にくれていたが、偶然にも腕輪が近くに触れたときにばね仕掛けのように勢いよくロッカーが開く。佐藤はロッカーが開いた後、覗き込んだら色々な物があり画面がロッカーに埋め込まれていたのを気づいた。覗き込むと同時に色々と光線が彼に襲い掛かった。数秒経ったらロッカーの画面が「ようこそ。番号000176、佐藤太郎」と書かれている。佐藤が画面を触ったが、何も反応しないから彼は目立っていた重たそうなコートを取る。そうしたらと急にロッカーから電子的な声が出た。


「三十三式汎用防弾コートです。コートは基本的な防弾の他、内蔵されている発電各種により快適な環境を作る他、体内ナノマシンとの連動によりコートの修復、蓄電及び筋力を補佐いたします。背骨のターミナルとの直接接触は必要ありません。念じることにより流動迷彩を発動することもできます」


 このように佐藤太郎がロッカーにあるものを手に取ると説明する声が出てくる。彼が最後に手を掛けたのは背嚢であり、基本的にはテントや寝袋、ナノマシン活性剤そして非常食などが入っている。コートと連動して迷彩を発動することも出来ることが彼は分かった。


 佐藤太郎「ザ・カーネル」「荒野の嵐」「一人の軍隊」は荒野の中へと始めの一歩を踏んだ。

ご感想を頂けると幸いです。誤字脱字は感想にてお願いします。

一応「こういうものを連載版に入れたら」、な感想も受け付けております。

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