さくらの2日間と8月の診察。
今回は、8月にあったさくらの2日間について綴っていきたいと思う。
8月の末、人格間でトラブルがあった。簡単に言うと、奏が和の地雷を踏み抜いてしまったのだ。その結果フラッシュバックを起こしてしまい、自責が始まった。奏についてもいつかは書きたいと思っているが、今回は言及しないでおく。
とにかく奏の発言で和はまた中に引っ込んでしまった。自責が解離の要因の場合、出される人格は大抵さくらだ。今回の一件はさくらの持つトラウマにも触れるものだった。それでも交代したのはさくらだった。こういう時、和の代わりに出る事がさくらの役割なのだろう。
ただその後すぐさくらが出ずっぱりになった訳ではなかった。翌朝ぐらいまでは何とか俺に交代が出来たのだ。そのお陰で通所も出来た。しかし、交代が不完全でさくらが混ざった状態のまま通所する事になってしまった。正直、作業時間が終わるまで俺で居られる自信はなかった。案の定、仕事中に強制交代が起こった。表に出されたのはやっぱりさくら。今までと違った事は、強制交代後から表の様子が見られなくなってしまった事だった。声は届くかもしれないという希望をもって、何度もさくらに話しかけた。しかし、断片的にしか届かなかったようだ。しかもそれは最初の方だけで、途中からは内界と全く繋がっていない状況だったそうだ。
そんな訳で意識はあるものの表の様子は全くわからなかったので、ここからはさくら本人と母から聞いた話だ。
さくらが事業所で出てすぐ、誰に声を掛けるか迷っていると3D指導員さんに声を掛けられたそうだ。そこで交代してしまった事を伝え、母に連絡をした。待っている間、指導員さんが一緒に片付けや退勤の作業をしてくれたらしい。
そうして家に帰ったさくらは、次内界に戻れなくなった時にやろうと決めていたジグゾーパズルをやり始めたらしい。それは元々和がやろうと購入したのだか、数年間放置されたもの。さくらの好きなキャラクターのパズルだった。300ピースとあって少々難しいが、いつ戻れるかわからないので時間潰しにはもってこいだったそうだ。母と一緒に楽しんで出来たそうだ。
翌日は通院日だった。出来ればそれまでにせめて俺に交代したかったのだが、それは叶わなかった。それでもさくらは母に連れられ、しっかり受診をしてきてくれたようだ。ただ、相談事は母が伝えてくれたそうだ。奏の事。それでも主治医からの返答は「どうしたらいいかはわからないので、人格間でよく話し合ってください。」というものだったらしい。そうしていつも通り診察を終えたそうだ。
いくら解離の専門医と言っても、流石に人格への対応法についてはわからないそうだ。それを相談したいならきっとカウンセリングを受けるべきなのだろうが、俺も和もカウンセリングにトラウマがあるので自分たちでどうにかするしかないのだ。(これを書いている時点では、奏の件は解決している。)
どうやらこの日は待ち時間も少なく、病院の滞在時間が短くて済んだらしい。それは不幸中の幸いだろう。
帰宅してからはまたパズルの続きをやったそうだ。2日目にして完成させたらしい。3歳で300ピースのパズルを完成させてしまうとは驚きだ。そうして夜になり、さくらは眠りについたそうだ。
そしてしばらく経った頃、和が目を覚ました。それと同時に内界とも繋がった。さくらが床に就いたのが早めの時間だったので、和は一度リビングに戻り母から状況を聞いていた。診察の内容も聞いた。それからあれやこれやといろんな話をし、これからどうするのがいいか話し合ったのだった。
こうしてさくらの2日間と8月の診察は終わった。何かとさくらが表に出されて戻れなくなる事態が定期的に発生している。さくら曰く幼少期からあった事らしいが、これについても何らかの対応策を考えたいものだ。




