さくらの3日間。~後編~
今回は前回の続きとして、さくらが過ごした3日間について綴ろうと思う。
翌朝起きて少しすると、前日まで出来なかった奏やのあとの会話が出来るようになったらしい。しかし交代はできないままだったので、予定通り母とショッピングセンターに向かったらしい。服もカバンもさくらの好きなものを身に着けて、ぬいぐるみを持って行ったそうだ。
時間はたっぷりあったそうで、さくらの好きな店を見て周ったようだ。さくらがカタカナを覚えたいといった事から、幼児向けのカタカナドリルと文具コーナーで見つけた通帳を模したお小遣い帳を買ってもらったそうだ。途中、ファストフード店で昼食も取ったらしい。
そして手芸屋さんに立ち寄ると、たまたま夏休みのレジン体験会をやっていたらしい。当日の飛び入り参加が可能だったらしく、その場でどんなものを作るか考え、ピルケースを作ることにしたらしい。どんなデザインにするかとなると、やっぱりさくらは「桜柄がいい」と言い出したようだ。そこで、店内を探してみると運よく桜のレジン型があったらしい。他にも装飾に使うパーツを買ってもらったようだ。そしてそのまま体験へ。他に参加者はおらず、店も比較的空いていた事からさくらのペースでゆっくり体験が出来たらしい。ホログラムやラメパウダー、シェルなどのパーツを使って桜のピルケースが出来上がったらしい。出来上がったピルケースは、さくらの小物入れとして活用されている。その後もおもちゃ屋などを見て周ったりと、約5時間遊んで周ったらしい。
この日は昼寝をしていなかったさくらは、帰りの車で昼寝をしたと言っていた。帰宅後はその日に買ったおもちゃで遊んだりしたそうだ。
夜になりそろそろ交代できないかと、母が和を呼び出そうとしてみたそうだ。和は混ざりが強い時などに頭をわしゃわしゃと髪を洗う時のように撫でながら呼び掛けられると帰ってくる事が多々ある。(ただし万能ではない)それを実践した所、運よく交代が出来た。しかし半ば強引に交代をした所為か、1時間程でさくらに戻ってまた交代が出来なくなってしまった。そのまま夜になり、さくらは21時には寝るのでこの日もさくらが眠りについた。
そしてさくらが表に出続けて3日目。朝起きてもさくらのままだった。この日は午後から通所の予定があったが、さくらのままならば休もうという話になっていたらしい。
しかしさくらが起きてから暫くして、内界に戻れるようになったらしい。10時半頃の事だ。さくらに強制交代してから約48時間後、無事和に戻る事が出来た。
さくらによると、幼少期から和が眠ってしまって交代出来なくなる事はあったらしく、「2回寝るとなごみちゃんは起きる」と言っていたらしい。今回もその通りになった。これは和が生きていく中で必要な休息なのかもしれない。
強制交代や交代が出来なくなる事態は、いつ起こるかわからない。それが些か不安要素ではあるが、こればかりは症状の1種なので仕方がない。こういった症状ともうまく付き合っていけたらと思っている。