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もう1つの内界。

本作は、「和と紘希~解離性同一性障害者の日々~」(https://ncode.syosetu.com/n1122jv/)の続編になります。前作をまだご存じない方は、そちらを先にお読みくださいますようお願い申し上げます。

 エッセイ第2弾の連載初回の今回は、前作のラストで存在が発覚した別世界の人格たちが住む世界について綴ろうと思う。本来なら前作の続きとして、別世界に住む「(漢字の)(なごみ)」と名乗る人格たちについて綴るところだが、彼女たちの事を語る上で彼女たちの内界について理解しておくことが必要不可欠な為、先に内界について綴っていく。


 彼女たちの住む内界は、俺たちの内界とはかなり異なるようだ。俺たちの内界は比較的最近まで薄暗い空間だったが、向こうの内界は最初から家のような空間があったそうだ。メインの部屋があり、そこから人格たちの個人部屋に繋がっているらしい。部屋には窓が付いており、草原のような景色が広がり空模様も時間と共に変化するそうだ。

 メインの部屋の真ん中には「交代椅子」と呼ばれている飛行機の座席のような椅子が配置され、その前に表が映る画面が浮いているらしい。余談だが、この画面は両面が液晶になっているらしく、交代椅子に座らずとも表の様子は見られるそうだ。交代椅子に座る事で自由に表に出られるらしく、交代にかかる時間は数秒。俺たちの交代とは異なり、体が脱力する事もない。また頻繁に交代しても、頭痛が起こらないのも特徴だ。交代椅子に座ると、俺や和の意思とは関係なく椅子に座った人格が表に出る。反対に椅子から離れれば、俺か和がランダムで表に出るようだ。

 ただ、この交代椅子は困った事に頻繁に故障するそうだ。1か月半~2か月に1回の頻度で椅子から離れられなくなったり、強制的に椅子に座らされる事が長ければ数日間続くそうだ。先日もある子供人格が強制的に表に出された後、半日ちょっと交代ができなくなってしまったらしい。これが一定周期で起こる可能性が高いらしく、日常生活に支障が出る事が懸念される。

 また内界にはパソコンがあり、管理者的立場の人格が内界での出来事を記録しているらしい。その人格に頼めば、飲食物以外のものは内界に出現させられるようだ。

 個人部屋についてはあまり詳しく訊いた事がないのでわからないが、俺が知っているもう1つの内界に関する情報は以上だ。


 現状、向こうの内界の人格たちと直接会話をする術がない。表の様子は向こうからも見えているので、声に出して質問をしたりメモに残して、交代した時に返答を録画か記入してもらう事でコンタクトを取っている。ただこの方法だと交代が頻回になってしまうので、俺たちも向こうの内界に行けるようになってほしいと考えている。

 次回は向こうの内界に住む人格たちについて綴っていきたい。

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