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駆け抜けろ!〜シグナルレッドの箱根駅伝〜  作者: ミチナリねるねる
エピソード0 駆け抜けろ!!
18/21

第16走 大人の説得

◯ 岡林 正裕


日本長距離界において、

実業団や大学駅伝に至るまで

数知れぬほどの実績を

残した名指導者。


箱根駅伝に挑戦したいという大学生、

斧田謙信からのメールをきっかけに

城西拓翼大学・駅伝部監督に就任した。


◯ 斧田 謙信


城西拓翼大学附属高校出身

18歳。


城西拓翼大学の一年生にして

本大学陸上部で唯一の

男子長距離ランナーである。


どうしても

諦めることができない

箱根駅伝への想いを胸に

同好会メンバーを説得中。


◯ 塩田 耕平


齢42歳にして、

城西拓翼大学の駅伝強化部長に抜擢された

秀才と呼ぶに相応しい同大学の職員。


アツい情熱と行動力を武器に奮闘する

斧田謙信に一目置いている。

陸上同好会のメンバーが

1人、また1人と斧田に

後ろを向けて距離を取り始める。


「それなりに頑張ってはいるが、

どうやら大分苦戦しているみたいだな。」


強面の大きな身体、監督の岡林が

途方に暮れている斧田謙信に

声をかけ、肩をポンと叩いた。


そして、そのまま

斧田の方を振り向くことなく

同好会メンバーの方に

ゆっくりと近づきながら

まずは斧田に話を始めた。


「斧田!

お前は声も通るし、滑舌もいい。

言葉選びも悪くないから、

説得力があるように感じる時もある…。


だが、自分自身の

ノリと情熱に頼りすぎだ。


昭和生まれのおじさんには

多少はウケがよくても、


情熱だけで同世代の若者の心を掴めると

思っている内は、まだまだヒヨッコだぞ。」


(そりゃそうだ。

ぐうの音も出ない…。


あれだけ箱根駅伝に挑戦したいって

威勢のいいことばかり言っても

結局、俺は無力じゃないか。


せっかく、せっかく…

岡林さんが監督になってくれたのに。)


斧田謙信は悔しそうな顔をして

ただただ下を向くしかなかった。


そんな姿を見て不憫に思った

塩田強化部長も斧田の肩に手をのせて

小声で話しかける。

(まあ、あとは岡林監督に任せてみようか。)


斧田は再び顔を上げ、

遠巻きに岡林の動向を

2人で見守ることにした。


(斧田よ。

人を説得するには、

まずはその相手を知り、

欲するものが何かを探り当てた上で、

最後に『情』に訴えることが

肝要なんだ。


この順序を履き違えると

やはりうまくはいかないものよ…。)


そう心の中で思いながら、

岡林が同好会メンバーに対し

普段の強面とは打って変わって

にこやかに話しかける。


「やあ、君たち。練習お疲れさん。

結構頑張ってるじゃないか。

これから塩田さんや斧田と昼飯にいくんだが、

どうだ?一緒に?」


声をかけられたメンバー達が

後ろを振り向き、岡林を見ると

『なんだ?このおじさん?

斧田の知り合いみたいだけど

一体誰なんだ?』

といった感じで互いに目を合わせた。


「この大学の駅伝部監督になった岡林だ。

お金は俺が持つから、そこの町中華で

食事会でもしようじゃないか。


もしかしたら、

駅伝部が本格的にスタートするまで

まだ少し時間があるから、その間にさ。

こうして頑張っている君たちの力に

なれるかもと、思っているんだ。


別に無理やり駅伝部に

勧誘しようってわけじゃ無い。

君たちにも事情があるだろうからね。


でも、同じ陸上競技を志した者同士!

これから仲よくやっていこうじゃないか!」


「うーん。どうしようかな。」

同好会メンバー達は、

相変わらず仲間たちと目を合わせながら

ヒソヒソ話しを始めている。


(なんだか…悪い人でもなさそうだな。

食事もご馳走してくれるみたいだし。)


(今月、俺、金欠だし。

とりあえず行こうかな。)


(じゃあ、俺も。

練習したから腹ペコなんだ。


とりあえず話だけ聞いて

勧誘の話がきたら、

その時は断ればいいさ。)


結局、元気の良い二つ返事とともに、

メンバー5人全員も、

岡林主催の食事会に

参加することになった。


(よーし。

まずは第一段階完了だ。

よく見ていろよ、斧田。

大人の説得術ってやつを。)


町中華にウキウキしながら向かう

同好会メンバーを見つめながら

岡林はニヤリと笑っていた。

次回、食事会て岡林は…。


作者のコメント

どのような感想でも構いませんので

読者の皆さん、コメントどしどしお寄せください!

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