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始動
「さて、後回しにしていたが状況確認をしよう。」
まず、僕の身に起こったことだが、信じ難いがひとまず「異世界転移」としよう。
あたりには草木が広がっている。一見すると人工物らしきものはない。強いて言うなら人為的に石が積み上げてある。何かのマークかもしれないが特に気にすることはないだろう。
持ち物は、いくつかの参考書に水筒、弁当が入っているバッグだけだ。
「弁当….これを作った母親は今頃なにをしているんだろう。そもそも元の世界で僕はどうなっているのか…」
一瞬脳内にそんな考えがよぎったが僕は直ぐにそれから目を逸らした。考えてもどうしようも無い。
そしてなにより、薄情だが、家族や友達、元の世界よりも現在の状況に対する興奮の方が大きい。
「少し脱線したが、これはもしかすると、もしかしなくても相当まずいのでは…」
だってさ、食糧がほとんどないんだよ。すぐにでも人を見つけなければ。異世界に来てやりたいことは無限にある!でもそれ以上に人を探すのが先決だ。それから色々考えよう。偶々バッグに入っていた携帯コンパスの針が西を指す方に向かって歩いて行った。
道中で弁当を食べた。冷凍食品の味に感動した。
そして約一日歩いて異世界について三日目の朝、遂に村を見つけた。




