07話 はじまり
♢
ーーさて、これからどうやって生活するか。
俺は、三日三晩、眠らずに
とにかくグリム王国から離れた。
牢獄で鍛えられた精神力は伊達ではない。
なんか腹立たしいが…。
生活に必要なのは、衣食住。俺にとって今必要なのは顔を隠すために、顔まで覆ってくれる大きめのローブ。食べる物。最後に寝る場所の確保だ。
俺は、牢獄にいた際、ボロボロの薄汚い囚人服を
着せられていたが、逃げ出す際についでに服を盗んできてやった。だから、見た目にはそこまで問題はないはずだ。
近隣の村に、足を運んだが、どうやら俺が脱獄したという情報はまだ広まっていない。
だが、万が一はある。出来るだけバレずに移動したい。その為には、ローブが必要だ。
そして、食べ物。流石に腹が減った。最後に寝る場所。これは、まだ耐えれそうではあるが、やはり眠らなければ、いざという時に頭が働かない。
なんか俺、用心深くなったな…。
自身の変化に驚きつつも、俺は村で
何か探すことにした。
♢
「へい、らっしゃい!兄ちゃんなんか買ってくかい?」
うるさい声だ。
牢獄で長いこといたせいか、俺は人間に対して凄く警戒心と嫌味を抱くようになっていた。
少しの動きで身構えてしまう。人から触れられることなど言語道断だ。
ん…。
これは…。
「おい、このローブが欲しいんだが…
幾らだ?」
「お!お目が高いな!
そいつは、シルバー3枚だ!」
シルバー?何かの通貨か?
「すまない、シルバー3枚とはなんだ」
「お金を知らないとは…兄ちゃんもしかして…」
まずい。バレたか?
まさか噂が既に広まって。
俺は、スキルを出す準備をする。
「勇者だな?」
「はあ?」
勇者だ?俺はスキルを奪われ、
勇者としての資格を剥奪された男だぞ?
「最近、勇者召喚が各地で行われているからなぁ…まぁ兄ちゃんが知らんのも仕方ない。通貨について兄ちゃんに教えてやろう」
なんか、勘違いしてるみたいだから、
勇者ということにしておこう。
そう思いながら、俺はおっちゃんの話を聞く。
ーー要約するとこうだった。
この世界の通貨は統一されているらしい。 そして、この国で一番大きいと言われるグリム王国。
まぁ俺がいた場所だ。そこが通貨の発祥元らしい。
お金の単位は3つ。ゴールド。シルバー。ブロンズ。ゴールド1枚は、シルバー10枚に相当する価値があるらしい。そのシルバー1枚は、ブロンズ10枚に相当する価値があるとか。
「うむ…おっちゃんこの街で魔物の素材を売れる場所とかはあるか?」
「あぁ…それなら」
♢
「いらっしゃいヒヒヒ」
「…」
なんか見るからに怪しいな。
本当にこいつで大丈夫なのか?