表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

04話 牢獄

 ーーここは牢獄。

 嗚咽が止まらない程の異臭がし、

 ろくに食べ物も与えられない場所。


 そんな場所に俺はいた。

 最初は逃げ出そうと思った。

 だが、ろくに飯も与えられず、

 肋骨が折られ、呼吸困難に陥った

俺の思考回路は完全に腐っていた。


 ーー死ねればどれだけ楽か。


 ガチャ

 奥の方から音がする。

 あいつだ…。

 エメラル=アルファードの手下、騎士団長ゲド。

 こいつは幾度となく俺に暴力を重ねていた。

 飯に唾を吐き、これでもかと蹴り技、関節技を試してきた。

 こいつの顔をみると吐き気が止まらなくなる。


「…」


 必死に吐き気をこらえていると、ゲドは続ける。



「異世界人よ、元気か?

 今日は土産がある。ほれ!」


 そういって、

 投げつけられたものは…蛇だった。


 蛇は俺に巻きつき、容赦なくその牙を突き刺す。


「ぐあああああああああ」


 想像を絶する痛みが俺の脳内を支配する。


「それは、ビルマニシキという毒蛇だ。異世界人がどこまで持つのか調べたい」


 …くそやろうが!!

 ただそう思うだけで、言葉は出ない。


 ビルマニシキはさらに締め付け、

 俺の首元を噛む。


「ガハッ…」


「首をいったか…ビルマニシキは猛毒。

 お前は30分後には死んでいるだろう」


 ーー死ぬ…。

 ここから抜け出せるなら、

 それでもいいか。

 呆気なかったな俺の人生。


 カツカツカツ…


 騎士団長ゲドは、飽きたのか、

 どこかへいったようだ。



 このまま死ぬのか…。



 ーー潜在スキルが解放されました。

 スキル ヴェノム(蛇の復讐)を習得。



 …は?

 何か薄っすら聞こえるが…

 もうどうでもいい。俺は死ぬんだから。

 でも叶うなら…あいつらに復讐がしたい。

 俺を騙したあいつらを。

 人とも思わないあいつらを。



 ーースキル効果 毒無効を発動します。

 スキル ヴェノム シールド(蛇の盾)

 スキル ヴェノム ファング(蛇の牙)

 パッシブスキル リザレクション(自己再生)

 を習得しました。


 うるさい…。

 叶わないのはわかっている…。

 ただ…叶うなら…あいつらに復讐がしたい。

 そして、俺の意識は、プツリと消えた。



 カツカツカツ。


「ふん…やはり死んだか。蛇は回収しておこう」





 ーー

「さっきのは、騎士団長ゲドか…?」


 ってなんで俺は生きてるんだ?

 そういえば、なんか寝ている時に聞こえたような…

 俺はステータスを表示する。


 神崎雄平

 ステータス

 レベル2

 体力100

 攻撃力52

 防御力48

 素早さ23


 潜在スキル ヴェノム(復讐の蛇)


 俺にスキルが…?

 試験の時には、なかったはずだこんなスキルは…

 獄中で生まれたというのか?


 生きている。

 その実感が湧くと、共に俺に込み上げるような

 苛立ちが湧いてきた。



「生きてるなら…復讐だ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ