02話 スキル
ーー俺たちは、グリム=アルファーナと
名乗る女性から全てを聞いた。
まず、俺たちがいる場所は、この世界で最も東にあるグリム王国と呼ばれるところだ。
グリム=アルファーナ。
彼女はこのグリム王国の王女である。
そして、先程いっていた魔力の試験。
これは、翌日までにスキルを使いこなせる
ようにし、魔力を図る機械に向けてスキルを発動。
その結果で勇者に向いているか判断されるらしい。
だが、スキル内容は自由。
つまり、回復などの補助スキルだったとしても魔力値は測れるということだ。
「では、目の前に手をかざしてください。
そこに貴方達のステータスそしてスキルが表示されるはずです」
横を見ると、もう二人は既に
手をかざしていた。
それをみて、俺も二人と同じように手をかざす。
神崎雄平
ステータス
体力100
攻撃力52
防御力48
素早さ23
ユニークスキル 「ライジン」
お?一見、良さそうに見えるが、どうだろうか。
とりあえず使ってみないことにはわからないが。
グリム=アルファーナは続ける。
「スキルを試すのには、城を出てすぐの平原を使うといいでしょう。弱い魔物が沢山いますので」
ーー俺たちは外に出た。
そして、互いを知るために、まず自己紹介をすることになった。
「僕は江崎秀、シュウで構わないよ。君たちは?」
江崎秀か…。なんか背も高いし、
THE イケメンって感じだな。
続いて、俺が自己紹介をする。
「俺は、神崎雄平だ。
俺もユウヘイでいい、最後の一人は?」
俺はもう一人の男に声をかける。
「俺は、竜崎健太だ!!
ケンタでいいぞ!よろしくな!!」
こいつは体育会系って感じだな。
元気が良さそうだ。
「じゃあ自己紹介も終わったので戦いましょうか、あそこに魔物もいますしね…」
シュウが指差した先には、ポヨポヨした柔らかそうな魔物がいた。いかにも弱そうだ。
「先手を譲ります。ユウヘイさんどうぞ」
シュウが俺に声をかける。
「わかった」
俺は、女王に習った通り、スキルを脳内にイメージさせ、発動させる。
「ライジングスピア!
これは俺が最初から習得していたスキルだ。
パンッ!
ライジングスピアは勢いよく魔物を貫いた。どうやら倒したようだ。
やっぱり強いぞこのスキル…!!
俺は心から喜んだ。
それをみていたシュウが褒める。
「凄い威力ですね…当たりのスキルを引いたのでは?」
シュウは興味深々で俺のスキルを見ていた。
「そうかもしれないな…シュウ達のスキルは?」
「俺は!回復スキル「リザレクション」なんだぜ!!!」
タケルが言う。
それを聞いて俺は思わず、
本音が出てしまった。
「見た目に似合わないな…」
「うるせぇ!」
「ごめんごめん。シュウは?」
「僕は、スキル「シーフ」のようです。
洗脳が少し使えるようですね。
ただ…まだスキルの使い方がわからないので、
私は自室に戻りますね」
「あぁ…」
そこまで、
スキル発動は難しくないんだけどな。
まぁいっか。
「では、各自で練習することにしましょう」
そういってシュウは
何処かへいってしまった。
残されたケンタと
俺は自分たちのスキルに慣れる為に、
自身のスキルを使いまくった。
そして、くたくたに疲れた俺は自室に戻ることにし、ベッドへダイブした!
「はぁ…疲れた」
異世界に来て1日目。
色んなことを聞かされて、翌日には試験なんて、
結構ハードスケジュールだ。
俺は、そんな事を考えていると
いつのまにか、疲れて眠ってしまった。
忍び寄る魔の手に気付かずに。