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17話 慣れ

 

「あ、あんたこのタイミングでなに言ってんの!?」

「その剣に麻痺効果が付いているかもしれん」

「助けに来てくれた恩人にそんなことするわけないでしょうが!」

「そんなことはわからん、俺は全てを信用していない」


 それに剣なら必要ない。

 作ればいい。

 蛇を手から生み出し、呪文を唱える。

ヴェノム・ソード(蛇の剣)


 みるみるうちに蛇が硬化しながら、一本の剣になる。


「その硬化呪文はあの時の…!」


 ーーエルザは前回のイノシシに似た魔物との戦いを思い出しているようだ。


 今回はそれを応用して剣を作った。


「面白いスキルだ。剣を作るとは…!

 だが、剣を手に入れたとて、

 我が剣神アトランタの攻撃を受け止めれるわけがなかろうが」


 剣神アトランタの言うことは間違っていない。

 俺は剣術など習っていない。

 ()()()()戦えば

 間違いなく負けるだろう。



 剣神アトランタは、剣を勢いよく振りかざす。

 それを俺は、簡単に受け止める。


「ほう…まぐれか?」


 追撃の手を緩めず、剣神アトランタは

 何度も何度も繰り返し、剣を振る。

 しかし俺は全ての攻撃を余裕で止める。


「な、なぜ我の攻撃が…」

「ユウヘイってば、剣の技術まで…!?

 ってなにこれ…へ」


 ムグゥ!

 大声を出そうとするエルザをエルザの足元にいた蛇が尻尾で口を塞ぐ。


(なんで、こんなところに蛇が…!

 って、この蛇はユウヘイの…)


 エルザは辺りを見回す。

 どうやら、洞窟中にいる蛇が見えているようだ。


 なんだ、エルザのやつ透視スキルを持っているのか。

 俺は、剣神アトランタの周りに透明化させた蛇を

いくつも配置していた。

 そして、視点を瞬時に切り替え、剣神アトランタの筋肉の動きから剣の動きを予測していた。

 なぜ、こんなことができるのか。

 それは剣神アトランタの動きは、洗練されていて、

動きが全く同じだったからだ。おそらく型でもあるのだろう。だから数回見ただけで俺はやつの攻撃の癖を見抜いていた。だから俺は受け止めることができた。


 ガキンッ


「どうした?それだけか?」


「グッ…!だ、だが反撃して来なければ意味がないだろう!」


 そう。俺はこのまま守りに入っていれば、

体力が尽きる。

 だから少しずつ、少しずつ、剣神アトランタの攻撃を隙を探す。

 まるで獲物を狙う蛇のように。


 10分程打ち続けただろうか。

 剣神アトランタは集中力が切れて、

 動きが遅くなっていた。

 やるなら今だ。


「おい剣神…お前の実力はその程度か?

 本気でかかってこい」

「我をバカにするとは容赦はせんぞおおお」


 怒りに任せ剣を縦に振るう。

 俺はそれを間一髪で避ける。

 金属音とともに剣神アトランタの剣が地面に刺さる。


「抜けぬ…!」


 俺は飛び跳ねると、剣神アトランタの頭部めがけて

 剣を振り下ろした。


「|アトミックスラッシャー《爆発剣》!」


 爆音とともにその一撃を喰らうと

 剣神アトランタは、

 ゆっくりと土下座をするように倒れた。



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