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16話 剣神との戦闘

 はぁ…。

 何をしているんだあいつは。

 まぁ今度会う時があれば返すか…。


 宿屋を出ようとした時、外から怒鳴り声が聞こえた。


「王女はどこだ!」


 何やら叫んでいる。王女?

 そんな奴がこの宿に泊まっていたのか。

 俺は、フードを深く被り、無視して通り過ぎようすると、兵士に止められた。


「おい貴様、この王女を知っているのではないか?」


 そう言って兵士は俺に写真を渡す。

 どうやら、俺が脱獄犯だということはこの兵士は知らないらしい。そろそろ、広まっているかと思ったが。

 王国側に何か事情があるのか。それに、この兵士はグリム王国の兵士ではない可能性が高い。

 明らかに装飾が違う。

 だが、それよりも驚いたことがある。

 写真に写っていたのは、エルザだったからだ。


「貴様と何度か王女が会っていたという

 情報が広まっている。返答次第では、殺す」


 兵士は槍を構えている。

 無駄な戦闘は避けたい。

 騒ぎになる可能性がある。

 まぁもうなっている可能性もあるが、ここは正直に話すか。


「エルザは、剣神アトランタの元へ行った」

「アトランタだと…!?嘘をつけ!そんな危険な場所にエルザ王女が行くわけないだろう!」

「本当だ」

「嘘をつくな!」


 槍を俺の首元へ近づける。

 クソが…。

 こいつといい、あの王国の連中といい

 この世界は話を聞かない人間が多すぎるだろう。


「本当だ!」

 俺は声を荒げる。

 …ドクンッ。

 なんだ今のは…。

 コイツに対して一瞬、押さえられなくなるような殺意が芽生えた気が…。


「ならば、王女を引き連れてここへ戻ってこい」

「はあ?」


 めんどくさい事になったぞ。

 エルザめ…。




 ーー「本当にいたとはね…!剣神アトランタ!」


「我に勝負を挑むとは良い度胸だ。それに剣士とみた。我の剣で葬ってやろう」



 ♢


 俺は、兵士に言われた通り、

 剣神アトランタとやらがいる洞窟へ向かっていた。

 しばらく進むと聞き覚えのある女の声がする。

 このウザい声は…。


 ♢


「はぁ…はぁ…なんなのこの剣術」

「我が200年に渡って、習得してきた剣技だ」

「くっ…」

「そろそろ遊びは終わりだ。死んでもらおう」


「自分で戦いに行って、命を落としそうになるとは…アホ女らしい」

「む、誰だ貴様は」

「ユウヘイ!助けに来てくれたのねって…いたぁぁぁぁぁぁ!」


 エルザは悲鳴をあげる。

 俺が、エルザのケツを一発叩いたからだ。


「お前のせいで面倒なことになったんだ。

 あとで謝罪しろ」

「相変わらずひどいわ…でもありがとう」

「む…剣士でもない奴がこの剣神と恐れられる我に

 素手で挑むつもりか?我を馬鹿にするな!」


 ブオンッ


 鋭い、風圧とともに剣が俺の頭を捉えようとする。


「危ない!」

ヴェノムシールド(蛇の盾)


 ガキンッ

 金属と金属がぶつかり合う。

 随分重いな…。

 流石は剣神と言ったところか。



「スキル持ちの人間か…だが相手が悪かったな。

 我は、魔物になる際に悪魔と契約しているのだ」


 悪魔…?


「我は魔物となり…殺した人間を悪魔に捧げ続けるのと引き換えに、剣でしか倒せない身体にしてもらったのだ。我が、強い剣士と戦うために。つまり…剣も持たない貴様が勝てる可能性は0だということだ」


 剣でしか殺せないか。

 面倒な奴だ。


「喰らえ、人間!」


 今度は横に、鋭い斬撃が襲いかかってくる。

 俺は、バックステップをしてなんとか避ける。

 それをみた剣神アトランタは、

 今度は縦に大きく剣を振りかざす。


「くっヴェノムシールド(蛇の盾)


 剣の重さに身体が持っていかれそうになる。

 このまま何発も喰らえば…。


「ユウヘイが押されてる…!ユウヘイはおそらく剣を持っていない。ユウヘイ私の剣を使いなさい!」


 エルザの剣が飛んでくる。

 俺はそれを避けるとこう言い放った。


「いらん」


「はあああああああ!?」


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