表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
End of the Sin  作者: 桐谷 迅
鬼の罪
5/6

肆、悪夢の序章

 「もう朝じゃ、ほれ起きよ」

 ん?もう朝か…

「っ…ビックリした…ミナかよ」

「なんじゃ?おかしいことがあったのか?それともいい夢でも見とったか?」

「いや、いきなりロリっ子の顔があるとビビるわ」

 そりゃそうだろ、いきなり過ぎてマジでビビったわ。

いくら異常事態だからとはいえ、アニメ的展開はマジ勘弁だよ…。

「はて…そんなことより、遊ぼうかのぅ」

「遊ぶって…暇なのは分かるが何して遊ぶんだよ」

「散歩でもするか。今の世を見たことが無いからのぅ」

 おいおい、今の世って何千年も生きてきたんじゃねぇのかよ…

て、ここ何日の事があって散歩って、次こそ間違えなく殺されるぞ。

 そう、四月二日の夜以降、《送り雀》の軍団に襲われ続けた。

その度に体をボロボロにして帰ってくる。そんなこんなで、昨日は僕を囮に使いやがったし。ミナめ、外道が。

「お主、言うたであろう。我には心の声が聞こえると」

「あ、すまん。って、僕謝るようなこと考えたっけ?」

そして、愉快な朝が終わり、地獄の散歩が始まる。

「お主、ここは現実世界であって、アニメのようなナレーションはないぞ」

「う、うっせぇ。カッコつけてたから変なこと言うな!」


「んで…やっぱりフラグ通りじゃねぇかよ」

「うぬ…この数は少々まずいぞ。我でも捌き切れん」

 数えるだけで三十は超えており、雀と思われる奴らも三はいる。

「お主、何とか奴らの攻撃を掻い潜り、逃げるのじゃ」

 まずいぞ、ミナがこう言うってことは…マジでやばい証拠だ。

「ミナ、お前はどうするつもりだ」

「どうもこうもあらんわ。こ奴らを一蹴し、お主の元へ戻るんじゃよ」

 いや、そんなことはハッタリだ。

ミナは、自分が不死身ではないと言っているんなら、多分、このままじゃ消えてしまう。そんな中でも、「スキは我がつくる。そのうちにはよ逃げるのじゃ」と言う。

 ミナは何処から取り出したのか、棘のついた金棒で十匹ほど消し飛ばすと

「早く行くのじゃ」なんて叫んだ。

「僕だって……戦える」

そこには劣等感が残ったが…何としても消すために、死ぬ気になる。

記憶の殆どが思い出せない中、不意に一つだけ思い出した。

「妖怪払いの術…魂陰消結-急急如律令」

 以前、僕は妖怪憑きにあったことがある。その際に聞いた術だった。

体質的に見えざるモノを寄せ付けやすいらしいから、その際に教えてもらったものだ。

 印を結び、どんどん敵を触っていった。触った敵は次々と消えていく。

だが、すぐに次次へと湧いてきた。

「はよ逃げるのじゃ」

「…ミナ、危ない!」

 もう遅かった。ミナは血飛沫と共に倒れる。無惨な音と共に血の匂いがして、嫌な記憶が蘇る。

「あ…あ…ア、アァ…あああああああああああああああああああああああああああああ」

 そこからは意識はない。眠るような感覚に襲われ、瞼を閉じた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ