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暁の海の女神  作者: 呉提督
15/21

第15話 山本五十六

更新遅れてすみません。

忙しかったです

横須賀に入港した艦隊に

帝国海軍の内火艇が横付けする。

艇長と思われる青年が声を張り上げた。


「バギーニャ艦隊司令部の皆様、お迎えに上がりました!!

山本五十六長官がお待ちです!!」


艇長はバギーニャ海軍に男がいることに

驚いたようだ。


「失礼ですが、そちらの方は?」


「うちの海軍の特務中佐だヨ。

怪しい人物じゃないからネ。」


ユリア参謀長が代わりに説明してくれた。

艇長も納得した様子で、

俺達は内火艇に乗り込んだ。


しばらくすると、本や雑誌で見慣れた艦影が

俺の視界に飛び込んできた。

夢にまで見た連合艦隊旗艦長門だ。


長門の甲板には軍楽隊が待機し、

歓迎のメロディーを奏でている。

内火艇を降りて長門の階段をあがると、

真っ白い二種軍装に身を纏った男が数人、

俺達を待っていた。






そう、日本人なら知らぬ者はいない

昭和の超有名人、連合艦隊司令長官

山本五十六その人である。



「暁中将、ようこそ長門へ。

会うのは1年ぶりかね。」



「山本長官、お久しぶりです。

1年前はお世話になりました。」



リアルで見た山本五十六は

俺が想像していたよりもずっと小柄だった。

自分よりも40歳近く年下で、しかも女性の風花にも

見下すことなく応対する。

その姿勢に俺はとても好感がもてた。


(この時代、男が仕事をして女は家を守る

いうのが日本の常識であり、女性は

男性よりかなり下に見られていた。)



「おや?君は初めて見る顔だな。

バギーニャ海軍に男がいるとは。」


「は、初めまして!お、俺、いえ!私は

新浪改と申します!とある理由で

特務中佐としてバギーニャ艦隊司令部付と

なっております。」



山本五十六に突然話しかけられ、

思わず声が裏返ってしまった…。

いや、だってあの、あの山本五十六だぜ!?

緊張するなっていうほうが無理だろ…。



「中々緊張しているようだね。

立ち話もなんだ。長官公室に案内しよう。」




こうして今バギーニャ艦隊司令部は

戦艦長門の長官公室で連合艦隊司令部と

面会している。



「しっかし、女しかいなかった

バギーニャ海軍が男を入れるとは!

もしかして長官と密接なご関係におありですかな?」


山本長官の隣に座る参謀長らしき男、

おそらく福留繁中将だろう、が

品のない質問を繰り出した。


「違いますよ。彼はアドバイザーです。」


風花はそんな質問にもうろたえることなく、

気分を悪くされたそぶりも見せず、

冷静に対応した。


「福留、自重しろ。」



「これはこれは、失礼いたしました。」



本当に申し訳ないと思っているのか怪しい

謝り方。

この福留は海軍乙事件の時、海軍の暗号などが

入った機密書類を武装ゲリラに奪われ、

悪びれる様子もなく、責任もとらなかった。

俺はどうも好きになれない。



「さて、新浪中佐…と言ったかな。」



「はい。」



「バギーニャ海軍が男を入隊させるなど

余程のことだ。何か大きな秘密があるのでは

ないかな?」



鋭い読みだと思った。

俺が未来から来たことが会って一時間でもう

バレようとしている。


俺は風花のほうを見た。


風花もこっちを見て、コクりと頷いた。

すべて話せということだろう。


俺は小さく深呼吸し、山本長官を見据えて言った。



「俺は、70年後の未来からきました。」

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