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甘美なる響き

作者: はづき

ピアノが好きだった。

ただそれだけ。


毎日のようにピアノに向かって

こんな音になればいい、

あんなふうに弾きたい。


そう思ってきた。


一流の人の音を聞くたび

心がときめいた。


忘れもしない

カラヤン、不二子ヘミング。


初めての出会いだった。


大好きなピアノ。


向き合うと本当に難しかった。

なぜ弾けないの?


わたしはこんなにも愛しているのに。


泣きながら楽譜を破った。


わたしは逃げたんだ。

音楽から。


それから10年。


それでもわたしはピアノが好きだった。


今ならわかる。

好きなことからは

離れられないって。


音楽は美しい音色に聴き入って

たとえ自分が弾けなくても

その美しさを感じることが音楽なんだって。


大好きなピアノ。


『ちょっと作曲してみたの。』


私は母にそう呟く。


『素敵ね。』


そう。

それでいいいのだ。


音楽はどこまでも美しい。

誤魔化しのない

どこまでも澄んだ響き。


私はこれからも音楽を愛するだろう。


心ゆくまで・・・

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