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無関心な様でしっかり怒ってる罠☆

 そういえば、例のオフ会レポ上がった?


 問いは、漠然と。だが返る言葉は一様に否。


 見ないなー

 コス関係も写真上がってないよー

 あれか? 店から箝口令出たかな?

 あー、なんかジャンル違いのレイヤーとかテレビ局とかうるさかったみたいだモンネー☆

 でもそれ位でレイヤーが黙るかー?

 あのレイヤーだぞー?

 あのレイヤーだもんなーw

 なんだよ、あのってw 伝説かよwww

 いや、神上位種ーって騒いでたからさー、絶対写真撮って速報の嵐かと思ってたからなー

 思ったより出来悪かったんじゃね?

 あー、理想じゃないと攻撃やばいからなー……レイヤー怖(ry

 いっちゃってるじゃんw

 略されてねえwww

 速報が出ないのもびっくりだけど、レポ上がんないのどうよ?

 つか、どの板にも来なかった奴プギャーm9(^Д^)が沸いてないってどうよ?

 オレさー、リア友に参加者いるんだけどさー

 お、mjk

 kwsk

 いや、あいつらもう駄目だよ……オレ、アニメの一般人の気持ち味わいまくりだよ……orz

 どうしたどうした

 なんだよそれw

 もうさ……アニメの異種族信奉者が三次元化したらああなるんだろうなって勢いでさ……ちょっと前まで普通にアニメの異種族クラスタだったのに、今はもうマジ信奉者。目の色が違う。

 なんだそれ……

 怖……

 新興宗教かよ……

 え、其の手の団体が主催してたとか? 怖!!!

 あ、いや、其れは無い。大丈夫。壺とか売ってないから!

 ツwwwボwwww

 勧誘もされてないから!

 ああ、んじゃ平気か

 本当に大丈夫か?

 大丈夫だ、問題ない(キリッ

 キリッじゃねえwww

 まあ、あれか? 厨二病炸裂てか?

 うーん……まあ、マジ信奉者って奴だよ。なんで、写真とか絶対見せないし詳しい事も自分だけの思い出だっつって教えてくれないw 其の代わり異種族上位種の素晴らしさは語ってくれるYO!

 それ、嫌だw




 不思議な体験をしたものだ。……と、彼女は予習のノートを繰りながら独り言ちる。

 結局の処、昔と今は地続きで、彼女の与り知らぬ処で彼女の腹心達は蠢動活躍していたらしい。其れを確認できた事が、果たして成果であるのだろうか……些か悩む部分はあるが、まあいいかと彼女はざっくり切り捨てた。

 ペンを走らせ、要点を纏め、学生の本分たる勉学に勤しむ姿は紛う事無く勤勉実直。ドレス姿も艶やかな闇姫の片鱗は無い。……僅かに伏せた目元に色気を感じようが、ゆるく結んだ口元に仄かな艶を感じようと――――――

「今の私は、闇姫ではない」

 小さく呟いて、彼女ははあと吐息した。

 正直、此の後の生活が不安でもあったが……あの顛末は一切公の場に出る事は無く、彼女の平穏は維持されていた。

 あの後、普通に学校生活を送っている。

 勿論、友人関係も変わりはない。本人曰くの地味顔メイクで、彼女の友人はのんびりほんわか変わりなく、彼女の隣に立っていた。

 あるかと思ったほかの上位種からの干渉も、無い。

 隣に立つ少女に問えばその理由が解かる気がしたが……彼女は賢明にも其の問いを舌先に乗せる事をしなかった。其れが問われれば、少女は喜んで言を継ぐだろうに――――――其処をさせない事が、態度を明確にしなかった上位種への仕置きである訳だが。

 はっきり云わないのは、好ましくない。

 今も昔も……彼女の思考は明確だ。

 にも拘らず上位種が躊躇うのは、何か理由があるのだろう。

 そう彼女は考え、そして嘆息する。

 恐らく、そしてきっと。

――――――あの子達が気にするのは、現状の立場の差でしょうね。

 今回の事でつながりを持ったとして、今後の関りに持って行けるだけの確かさを感じない。彼女はアニメのファンではないと明言しているのだから、同じコンテンツを好意を以て共有していると云う題目は使えない。では、無理に着替えさせられたのだと境遇の共有を試みれば? 此れも又繋がりとしては脆弱だろう。ああ、迷惑でしたねと笑って其の場を離れ終わりだ。嫌な事を共有した同士が其の思い出を継続するだろう関係を喜ぶとは思えないのだから。

 結果。

 彼女から働きかけない限り、関係は途絶する。

――――――それでも良いのではないかしら

 走らせるペンを止め、時計を見上げる。

 時間は――――――深夜。

 アニメの、時間だ。

 彼女は徐にテレビの電源を入れ、チャンネルを合わせる。

 映るのは、かつて住んでいた世界。

 さして熱も無く人の世の営みを流し見、彼女はついとノートに目を向ける。

――――――また、巡るのでしょうし

 増える文字、新たな数式。

 彼女の世界は間違いなく時の流れに乗り、滞る事は無い。

――――――高々80年……我慢なさい

 予習をしてる女子高校生の物とは思えない程、彼女の双眸は冴え冴えと怜悧な光を宿していた……。

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