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第五話「BEAR攻略戦ー3」

「おっしゃー!」

金集め用の袋がいっぱいになると、ソフトは思わずガッツポーズをとって叫んだ。

戦果は上々、余分に集まったから、クレイスにいくらかやっても結構残る。

「ここまでうまく行くとはなー!」

戦果は上々、ソフトはニコニコしながら後ろを振り向いて硬直した。

ペチャペチャと耳障りな音がする。

…金拾うのに夢中で気がつかなかった。

怪力男が帰ってきたか…?

カウンターを挟んで向こう、確かに何かいる。…熊か?いや、犬だ。

狼っぽい犬がいる。死体の前にいる。

人を喰ってる!!!?

「…っ…」

ソフトは抜き足差し足で後退する。もしかしたら気づいてないかも知れない。

今のうちに逃げないと…死ぬ!

ガチャン「あ」

散乱した机の1つにぶつかって、見事にペン立てが地面に落ちて…。

犬と目があった…。

「怪力男…いやいや…人外とか反則じゃね?いや、死亡フラグは立てたつもりねぇよ?こんなとこで…」

ソフトは震える手でショットガンを取り出した。

「…死んでたまるかよ!」

ソフトはカウンターを乗り越え、犬の眼前にショットガンを構え撃ち抜いた。

犬はそれを難なくかわしていく。

「ま…マジでか…!」

逃げよう。

太刀打ち出来る相手じゃねぇ。

「うおぁぁぁぁ!」

ソフトはまたカウンターを乗り越え、

窓に向けて突進した。

ちらと後ろを見ると、すぐそこに犬の顔。…はやっ!

「来んな!」

片腕で銃を放ち牽制すると、ソフトは窓ガラスをぶち破り窓の外へ飛び出した。

そして気づく。

…地上25階って結構高くね?

「ぎゃあああぁぁぁ…!」

近くにエレベーターの操作盤があったので、クレイスはドアの開閉を手動に設定し、扉を開ける。

…しばらくレイノアの指示した道を歩いたが敵はいなく、ただ不気味なまでの静寂に包まれていたので気味が悪くなり、先回りしてレイノアを迎えることにしたのだ。

「…誰も…いないのか…?」

本当に気味が悪い。廊下はクレイスが歩く足音以外聞こえず、一歩一歩歩くたび恐怖が襲いかかってくる。

気配を読むクレイスは、気配が【無い】状態は少し苦手だった。

…もしかしたら自分の能力にも引っ掛からない奴が隠れているかも知れない。

そう頭が警告しているようなのだ。

「まだ遠くへは行っていないはず…一階上に上がるか…。」

まさかこの期に及んでエレベーターを使うなどという愚行を犯すとは誰も思っていないだろう。一階上にはすんなり行けた。

「まぁ…念のため…」

エレベーターの綱を銃で撃ち、落とす。

エレベーターは自由落下に従って落ちていき…はるか階下で破壊音が聞こえた。

「さて…」

…レイノアは順当に階段で向かって来るだろう。クレイスはそう思い、近くの階段で待つことにした。

静寂を紛らわすためわざと多少の音を立てて装備品を確認する。

「うぉお…!」何か聞こえた。

クレイスは弾かれるように銃を構え、辺りを警戒する。

「た、助けてレイノアちゃん!」

「うわ、どうしたのソフト!」

二人が来ている…!

クレイスは階段を降りて叫んだ。

「何かあったのか!?」

そこには全身に傷を負ったソフトと、緊張した面持ちで背後を睨むレイノアがいた。クレイスはソフトに状況を訊く。

「あれはやべぇよ…クレイス、笑うなよ…でけぇ犬がいたんだ!人を食ってた!」

「なに…!」

ソフトはこんな所では嘘をつかない。

そんな化け物がここにいるのか…?

「…あれは逃げても駄目…ここで迎え撃たないと…!」レイノアがアサルトを構え、クレイスを見つめた。

「…確かに犬は足が速そうだな。」

「や、殺るのかよ!くそっ、もうどうにでもなれっ!!」

向こうの通路の影に一瞬、黒い影が現れた。それは瞬時に加速し、こちらに走ってくる…!それはよく見ると確かに黒い犬だった。狼のようにも見えるが。

「速いな…」クレイスはレイノアの横に立つと、銃を水平に、正眼に構えた。

「クレイス、撃つよ!」「あぁ。やれ」

レイノアが射撃を開始する。

予想通り狼は避けながらなおもこちらに向かってくる。しかも速度は変わらない。

「くっ…」レイノアが歯ぎしりをした。

「レイノア、そのまま威嚇射撃、ソフト…あれをやるぞ!」

「お…おう!」

クレイスはレイノアが右に銃をずらした瞬間、敵の回避ルートに銃弾を放った。

弾は多分命中した。それを確認する前にこちらに飛びかかってきたからだ。

「今だ!」「死ねやぁぁぁ!」

クレイスが後ろに飛んで避ける。

その瞬間、ソフトが入れかわりで飛び込み、ショットガンの銃身で狼にフルスイングをお見舞いした。

空中に飛んだそれをレイノアがアサルトで蜂の巣にする。

キャインと声を放ち、狼は地面に落ちてからもソフトのショットガンを頭に食らい、流石に動かなくなった。

「…容赦ねぇなぁ」ソフトが呟く。

「ソフトが言う?」レイノアが笑った。

「いいタイミングだったぞ、ソフト。」

「まぁ…昔組んでたしな?」ソフトはクレイスの拳に拳をぶつけた。

「あぁ…さて、さっさと上に向かおう。随分派手にやったからな、帝国軍が嗅ぎ付けて来るかもしれん」

「だね」「あぁ。ずらかろうぜ!」

その後は順調だった。

特に敵は出てこなかったし、レイノアの勘がかなり当たって、すぐに社長室に着くことが出来た。

「ふー…足疲れたぁ…」

レイノアがぼやく。

「随分と今日は歩いたからなぁ」

「さて…行くぞ!」

クレイスは扉を蹴り破り中へ飛び込む。

奥には白い髭をはやした中年の男性が一人、ピストルを持って立っていた。

問答無用でピストルが火を噴く。

「ふっ…!」

クレイスは素早くコートを脱いで銃弾をコートで振り払った。

「うおお…!」男は尚も連射を続けた。

…フルオートタイプのピストルか…

コートで返して払い落とす。

「黙りやがれ!」

ソフトがコートの隙間からスライディングを決めた。どうやら撃ったらしい。

「おし、ヘリ取ってくる。クレイス、後は任せたぜ!」そう言ってソフトは足早に部屋を出ていった。

「がふっ…!」男は血に濡れた自分の手を見ながら放心していた。

「…来るの分かってるなら、せめてジャケットぐらい着てれば良かったのに」

レイノアが男に駆け寄る。

「あ…ありえない…あの犬を殺るなんて…」男は呟くようにそう言った。

「…平原で戦っていれば危なかった。あれは何だ?犬にしては大きすぎるだろう」

「ふ…ははは…あれは我ら帝国の生物兵器、【エネミー】…崇高なる完全な管理社会を実現するために…っ…」

「崇高なる完全な管理社会って、つまり脅しと言いなりでしょ?そんなの私達は嫌だよ。クレイスが良いって言うなら別だけどね。」

「安心しろ。俺は気に入らないからって刺客を差し向ける下衆の輩とは違う」

「ぐ…社会不適合者め…今に見てろ…貴様らのような社会不適合者を…必ず…根絶やしに…して…や…」

男はそこで力尽きた。

「クレイス。エネミーについての資料をさっき見つけたの。」

レイノアはそう言うとクレイスに紙の束を手渡した。

「…」クレイスは無言で読み始めた。

…大体の概要はこうだ。

《エネミー…グロヴァーム帝国が秘密裏に開発していた生物兵器。生物の染色体を特殊な電子パルスで操作し、通常とは異なる特殊な肉体を持った生物を差す。》

《対人認証…中型、小型エネミーには帝国が認めた人間の遺伝子を認証し、わざと襲わせたり、仲間と思わせたり出来る。》

《大型エネミー…戦略的な運用以外では決して放ってはいけないエネミー。だがこの資料を見る限り、世界に散ってしまっていると言うことだ。帝国兵はこれを撃破されたし。撃破したものには報酬を与える》

「ただ、強さが桁違いだし、対人認証も効かないから、見つけたら逃げないとだね。下手をしたら帝国兵と挟み撃ちにされちゃう」レイノアが口を挟んだ。

「だな」クレイスは続きを読む。

《悪魔…もともとはエネミー管理の為に開発された生物。各個体が1つ〜5つの特殊な能力を持つ。今のところエネミーを操る能力を有するのは、プロトタイプであるレ》

……。

「資料が途切れているな」

「うん。探したけど見当たらなかったよ…さぁ、多分もうソフトがヘリコプターを見つけてくれてるはず。行こう?」

「…そうだな。」

何か引っ掛かる物を感じながらクレイスは部屋を後にした。

「このやろ遅いぞ!?いつ追っ手がくるか冷や冷やしてたんだからな!」

ソフトはなんだかんだ言いながらヘリコプターを用意して待ってくれていた。

…不気味な事に帝国兵は全く追ってくる気配はなく、集中して警戒していたこちらとしては肩すかしを食らった気分だった。

「ソフトが犬と会った瞬間からもう、建物には居なかったのかも」

「…レイノア、それは何故だ?」

「あの資料の状況から見て、多分近いうちにあのビルは取り壊す…というか帝国基地としては捨てる気だったんだよ」

「うぉ!帝国の基地だったのかよ!」

ソフトが驚いて叫ぶ。

「…でなければ一般人には知り得ないエネミー関係の資料が出てこないだろう…」

クレイスはため息をついた。

「何か悪いな…お前らはただでさえ追われてたってのに…」

「気にしない、気にしない!…ソフトがいるから安全なルートで逃げられる訳だし、たまには頼みも聞かないとだよ!」

レイノアが運転中のソフトに飛びつく。

「うおぉ!あぶねえっ!」

ヘリコプターが左右に大きく揺れたが、クレイスは冷静に微笑して言った。

「…危険手当て500万増しで5千万で手を打ってやる…」

「お、おう…」ソフトの顔がひきつった

「たくさん武器が買えるね!」

「そうだな。ソフト、次はどこに行くんだ…?」クレイスはソフトに訊いた。

「…悪い…クレイス」

「…?…どうした?」

ソフトが指差した方には、小さな丘があり、そこにはこちらを向いているミサイルのついたトラックが…!

「あ、撃ってきた」

レイノアが目を丸くして言う。

「ソフト!よ…避けろ!」

「ヘリじゃ無理無理〜皆仲良くゴートゥーへルー♪」

冗談ではない!

「レイノア!」「きゃ…クレイス!?」

クレイスはレイノアを抱えるとヘリコプターから飛び降りた。

「あぁークレイスー!冗談だってー!戻ってこいよ〜!」

「…きゃあああクレイスぅぁぁ落ちてるよぉぉぉ!」レイノアがクレイスにぎゅっとしがみつく。

さて…この状況をどうしたものか…

「ぎゃあああぁぁぁ」

上でソフトが撃墜されたのが見えた。

ヘリコプターの外に手をふりまわして落ちている男がいるので今のところは無事のようだが…。

「クレイス…じっ…地面じめ…」

ドオォン!

クレイス達は地面に叩きつけられた。

【続く】


ご愛読お疲れさまです。

つたない文章ですみませぬ

何故こんな話し方かと言われれば

丁度仕事が終わったからと答えましょう


さて 不穏な伏線が多数ありましたね。

クレイス達はどうなってしまうのか?

【全ては私の執筆次第ですが…】

ちなみに次回からちらほらと仲間が増えていきます!

彼らの役回りにもご期待下さい!

それではまた会いましょう!


次回予告 【担当ークレイス】

…突然だな。次回予告だと?

何を話せばいい?そしてここはどこだ?

【説明中…】

なるほど分かった。さて…

新しい街、マドゥル・シャンペンに到着した俺達は、街の怪しい噂を耳にする。

現れる双剣の殺し屋、新しい仲間。

土埃立つ工業地区で目にした物とは…

次回【汚れた街】

「俺に勝てるとは、思わない事だな」


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