表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白球の軌跡  作者: タレ柳
5/19

No.5 タイムリーヒット

──五月二十七日

練習試合の日…

いつもより目が早く覚めた俺は、学校に来てアップを始めていた

ストレッチをやってると次々とチームメイトがやってきた

みんな神妙な顔つきをしているな…

「……………」

その中でも、俺が一番心配そうな顔つきだったろうな

「お〜い!集合!」

顧問の山口が来た

「おっ!みんな似合ってるぞ!」

ユニフォームの事だな…

緊張してるのに…

「あっ!ちなみにオーダー決めたから」

一 北野 中

二 深野 二

三 香川 捕

四 多田 三

五 吉野 一

六 神奈川 右

七 谷山 遊

八 木村 左

九 島谷 投

以上だ

「待て!コラ!俺は?」

木田は納得してないな…

「木田〜、いつだかの練習の時、フリー全部空振りだよな?」

流石顧問、問題児?の扱いに慣れてるな

「おい!来たぜ!」

相手は二松高校(にしょうこうこう)、知馬高とは長い間、練習試合をやってると山口が言ってた

対して、強くもなく弱くもなく…

チームとしては相手の方が先輩だわな

「両チーム!整列!」

「只今より二松高校対知馬高校の試合を始める!互いに礼!」

「お願いしまーす!」

両校の元気な声が響く

始まったんだな…

「うちは先行だからね!」

深野くんか…

「深野くんは、緊張した事ない?」

「ん〜?最初はね!」

「やっぱり…」

「あ〜!でも最初だからこそ重要なんだよね!最初は三振覚悟でバット振るのもありだね!」

そうか…

初めての試合で打てなくて当然だよな…

打てないならうてないなりに努力しろって事か〜

「アウト!」

北野がサードゴロで倒れた

「んじゃ行ってくるぜ!」

深野はそう言ってバッターボックスに入っていった

「最低限の努力…」

出来る事っていったら、相手投手の癖読むしかないな…

「二松の田山…」

ストレートは島谷より遅め、コントロールはランナーいる時は、高めに浮くらしい…

「山口の資料に書いてあったな…」

昨日俺だけに資料渡されたんだよな…

何故か知らんが…

カキーン!

「ナイバッチ〜!」

ランナーが出たようだな…

「三番キャッチャー香川君!」

アナウンスされた、悪くはない…

「お願いします!」

一礼してバッターボックスに入る

(三番だ…とりあえず低め集めてゲッツー狙いだな!)

(OK!)

振りかぶって投げた

「!?」

資料通り!高めにストレート!

思いっきり振り切る!

カキーン!

バチーン!

「アウト!」

「げっ!ピッチャーライナー!」

「アウト!」

ダブルプレーだな

やっちゃったな…

「惜しいな!香川〜!」

みんな怒ってない…?

どう言う事?

「すまん!」

「謝る事なんてないよ!田山がまぐれで捕れただけだって」

「それに今のはバット振り切れてたからね」「野球はみんなでやるスポーツ!九回まで楽しんでこうぜ!」

そうか…、チームスポーツってこう言うもんなんだろうな…

「さぁ守ろうぜ!」

みんな守備位置に散った

俺は防具をつけるのを手伝ってもらい、守備位置についた

そこで俺は息を吸い込んで…

「しまっていこ〜!」

大声をかけた

「おう!」

これから俺の野球人生初の守備が始まる!

「お願いします!」

(一番打者か…、選球眼がいいから臭い球は振らない…、ならこれでどうだ?)

(へぇ…香川の奴勉強してんだな…、よし!そのコースに投げたろ!)

島谷はうなずいて、大きく振りかぶって投げた!

「低めの球!いただき!」カーン!

「げっ!セカンドゴロ?」

「アウト!」

よし!アウト捕ったぞ!

この調子でアウト捕るぞ!

「香川くんやるなぁ〜」

山口も感心している

「よし!チェンジだ!」

なかなか効率の良いピッチングだったな

次はこっちの攻撃か…

「香川くん!ちょっと〜」

「なんですか?」

山口に呼ばれた

「多田くんのバッティング見ておいて損しないよ!」「そうか…、少しでも吸収しないとな」

──バッターボックス内

「しゃ〜す!」

(四番か…、チビだな、でも油断できない!これでどうにか…)

振り返って投げた

シュッ!

シューーン!

(外角のストレート!ラッキー!)

カキーン!

(流した!?流し打ちかよ…)

「今のは?」

「あれは流し打ちと言うんだ!」

「流し打ち?」

─流し打ちとは?

右打者ならライト方向へ,左打者ならレフト方向へ,投手の投球にさからわずに打つこと

「と言う事だよ!」

なんかすごいな…

「まぁこうゆう知識はその都度教えるよ〜!」

「助かります!」

「チェンジ!」

話してる間に終わってたな

このまま頑張ってみるぞ

─四回の表

四回を過ぎて未だに0対0

島谷は頑張ってるし、いい加減援護がほしい所だよな…

「深野くん、ちょっと!」

「ん?」

「ゴニョゴニョ〜」

「本当に?」

「バッターラップ!」

「じゃあ試してくるね!」深野はそう言ってバッターボックスに入る

─バッターボックス内

(二番だろ…、前打席にはライト前打たれた訳だ…、今度こそ三振狙いの低めで行くぞ!)

(多分、この投手は変化球投げてこないってどうゆうことだ?)

ピッチャー投げた!

バシッ!

「ボール!」

「そういや〜、香川くん!何話してたの?」

谷山が声をかけてきた

「相手投手は変化球を投げてこない」

「えっ!本当に?」

「うん…、確実に言えるかは分からないけど」

ボール!フォアボール!

フォアボールでランナーが出た!

「んじゃもう行くよ〜」

─バッターボックス内

(マズい…、さっきの打席でピッチャーライナー…、失投を叩かれてだ!なら…)

振り返って投げた!

「やっぱり…か」

キーン!

フライ上げちゃったよ

「深いな…抜けるか?」

外野手は深いフライを懸命に捕りにいく…

「抜けた!」

かなり大きめのフライだったが前進守備の外野を抜けた!

深野は二塁三塁を蹴った!

「なめやがって!」

外野の選手はボールを掴んで投げる

クロスプレーだ!

ズサァーー!

「…………!」

「セーフセーフ!」

「しゃぁ〜!」

思わずガッツポーズが出てしまう!

初試合で初安打が打点付き!

待望の一点が入った!

その後多田は敬遠されゲッツーを食らい、攻撃を終了した

「香川よくやった!」

山口は大きな声でほめる

「よし!みんな!香川が取った点だ!無駄にするなよ!」

そう檄を飛ばした

そうだ!

この一点…

大事にするぞ!



続く


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ