No.2 億万長者のなり方
「寝過ごしちまった…」
辺りを見回すと皆帰って、部活にでもいったんだろうな
「さて帰るか…」
気だるそうに帰路に向かった時だった
「おい!待てよ!」
ふいに呼ばれたので振り返った
「……誰?」
「って…おい!忘れたのか?」
「……あぁ、昼間の」
「そう知馬高のエースと言えば、この俺…って人の話を聞けよ〜!」
チッ!バレたか…
「俺の名は木田保だ!」
「その木田君が何かな?」
「勝負しろ!」
と言われてもな…
何でするのやら
「野球だぞ!分かってるよな!」
あ〜
つまり昼間のリベンジってヤツか
「いいだろう…」
勝負に乗った、無駄な時間と分かってても…
「昼間とルールは同じ!良いな!」
威勢のいい事で…
「いくぜぇ〜!」
振りかぶって投げた!
ヒュン!
「どうせ…また曲がる球だろ…!?」
ズバーン!
バットが空を切る
「曲がらない?」
「へっへっ!いくぞ!」
ヒュン!
「今度こそ!」
ククッ!
チッ!
「当たった!」
「フン!まぐれまぐれ!」
また振りかぶって投げた
ヒュン!
ククッ!
バシッ!
「ボール!」
「チッ!運のいいヤツだな!次で終わりだぜ!」
ヒュン!
ククッ!
カン!
「ファールか!まぐれは続かないぜ!」
まぐれ?余裕だな…
ヒュン!
ククッ!
カン!
「ハハッ!出会い頭だ!」
カン!
「ファール!」
「ファール!」
「ファール!」
「しつこいな〜!まぐれにしてはしつこい!」
「まぐれ?ふ〜ん、それにしたら6回のファールは多すぎないか?」
「うるさい!これで最後だ!」
ヒュン!
ククッ!
カキーン!
「!!」
乾いた音と共にボールは飛んでいった
「何でだ?俺のカーブは完璧な筈…」
「まだ分かんないのか?」
「お前はカーブとやらを投げた、投げ続けた」
「それがどうした?」
「お前の性格上、相手を下に見ると言った事がある」
「だからそれがどうした?」
「まぁ簡単に言うとだ、素人の俺にカーブが打たれるわけがなく、カーブで三振にでもして見下してやろうなんて思ったんじゃないの?」
「?!」
図星だったようだ
「まぁそう言うこと!しかしあのストレートはビックリしたぜ!」
そう言って帰ろうとしたときだった
「待て、香川君」
今日はよく呼ばれる日だな
「はぁ…何ですか?」
そこには先生だろうか?若い男の人がいた
「野球部に入らないか?」
野球部?あったんだ…
「嫌です!無駄なことはしない主義ですから」
と一掃してしまった
「何で無駄なんだい?」
「とにかく!部活やってる暇があるなら金稼ぐ方法考えますよ!」
「プロ目指せば?」
プロ?
「プロになれば、うん千億といった金額を貰えるよ!」
「………」
「活躍すればするほどね!」
そうか…!さっきみたいに投げられた球を打ちゃ、金貰える訳だろ…
楽に儲けられるな!
「わかった!やります!」
こうして俺の野球部入りが決まった!
こんなんで良いんだろうか?
続く