No.18 再会?
三回の裏
多田がいないのに等しい状況で二点をとった
しかし、明星には網走や原がいる、三番のヤツもだ
この回原まで回る
これ以上の追加点は許さん!
先頭のバッターは三振にとれた
「ワンアウト!」
次は…
「お願いします〜」
(こいつは何考えてるか分からん)
「香川だよな?」
「そうだが、君とは一回もあったことがない!」
事実である
「心外だなぁ〜忘れたのか?」
(知らんもんは知らん!)香川は黙りこくった
知らない人を知ってる訳がない!
木田にサインを送り、振りかぶって投げる
「酷いなぁ圭チャン…」
(圭チャン…?)
シュッ!
ククッ!
カキーン!
「あれを打った?」
俺が要求したのは、速いカーブ…
大概のバッターは空振りしてしまう
しかしコイツには始めてみせるボール
なんでだ?
打ったボールは失速している!
「ホームランか?」
失速しているとは言えども、かなり高いフライだ!
「届く…!」
北野は全力で走る
手を伸ばす!
「………!」
バシッ!
「アウト!」
危ない危ない!
フェンスギリギリの打球を必死にとった
「圭チャン覚えてないのか?」
「知らないって!」
次言ったらマジで怒るぞ…
「幼稚園の頃、親の仕事の関係でアメリカに一時的に引っ越した子を覚えてないか?」
幼稚園…
アメリカに…
「思い出した!藤沢か!」
「やっと思い出したか!」
初めての友達…
初めての親友…
それが藤沢だった
「思い出話したいが試合中だからな!」
そう言ってベンチに帰っていく…
何とか藤沢を抑えて、次は四番だ
「おまえ藤沢と友達なんだ?」
「まぁ…」
関係のない話をしてると審判に怒られる
さっさとサインを決めて…
そのサイン通りに木田は投げる!
ササッ!
「!?」
セフティーバント!?
コン!
サード前!
多田のグローブに収まりそれを投げる!
「セーフ!」
速い!
あれがセーフになるのか?
しかし、学習能力がないってヤツだな
かなりリードとってるな…
牽制して刺しちまお!
「うわっ!?」
「アウト!チェンジ!」
原のヤツ気付いてないでやんの…
四回の表
「香川!話してヤツ誰?」
あぁ藤沢か…
「藤沢誠幼稚園の時の親友!」
「藤沢…」
神奈川と安室は二人そろって考えている!
「神奈川!お前バッターだろ!」
神奈川はハッとしてバッターボックスに向かう
「安室!なんだか分かった!」
「たぶんアイツ投手だ…」
安室がそう言う
「投手?」
「セントニクスの海外遠征試合でやったときにいた!」
聞くところによると…
コントロールはいいらしい…
球速はまぁまぁ速い
変化球はカーブしか見てないらしい…
「投げないのか?」
安室に聞く
「さぁ?野手に専念したいからじゃないの?」
わかんないな〜
その後、神奈川を含む三人は凡退
情けない結果になってしまった
四回の裏
「木田!交代でいいか?」
山口はそう言う
「いいですけど…」
「すまないな…」
木田は三回を三失点でマウンドを降りた
二番手は…
「安室いきま〜す!」
どっかで聞いたことがあるな〜
しかし、こんなこと言っている安室だが
三者三振と好調だ!
五回の表
この回は巧打者安室からである
ヒットは望めるな…
この回明星ベンチが動いた
「…………」
「マジ?」
何と一塁にいる藤沢と投手の網走がそっくり交換になった
「あれ〜?お前セントニクスの二番手だよな?」
「…………」
挑発?に動じない安室
大人である!
「つれないなぁ…」
そう言ってゆっくり振りかぶって投げる
ズバーーン!
「ストライク!」
「速い!」
セントニクスの神奈川より速いんじゃないか?
「あらよっ!」
ズバーーン!
ブン!
「ストライクツー!」
安室が振り遅れをした
あの安室がだ
「ヨイショ!」
「ストレー…!」
ブブブブ!
ズバーン!
「ナックル…?」
ミットの位置を確認する
しかしナックルではない事が分かった!
「まずは一人!」
その後北野は三振
深野も三振である
四回の裏
「しまっていこ〜」
相手投手が変わった、流れも変わることを祈っての声かけだ!
俺にはこれくらいしかできない
期待に答えた安室は六連続三振を決める
快挙である
まだ試合は中盤戦
気の抜けない戦いだ!
続く