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白球の軌跡  作者: タレ柳
16/19

No.16 記録保持者

一回の裏

さっきの回じゃ散々だったが、こっちも三人で抑えよう

「しまっていこうぜ!」

恒例の檄を飛ばす

「お願いします!」

(さ〜て!木田、ストレートで十分だ!)

まぁインコースのストレートは素人にとっちゃ、一番ビビるコース

木田はサインを確認し、振りかぶって投げる

いいコース!

流石練習はちゃんとやってるんだな…

カッ!

「バント!?」

しかも三塁線!

「多田!とるな!」

ギリギリキレそうなボール

コロコロ!

ピタッ!

「セーフ!セーフ!」

マジかよ…

いきなりランナー出したぞ…

参ったな〜!

(二番もバントか?なら…)

木田は振りかぶって投げた

シュッ!

コン!

「バント!」

二塁は間に合わなそうだ

仕方ない!

「木田!一塁!」

指示を出し、何とかワンアウト

ワンアウト二塁か…

ピンチだが

低めに抑えれば…

「ちわっ!」

あれ?コイツ朝一緒に練習したヤツ…

(もう打たれるのは、マズい!三振狙いの低めに…)

シュッ!

ククッ!

「ふ〜ん、まぁまぁかな?」

カキーン!

「何?」

前進守備のシフトをとっていた為、多田の頭を越えてライト前

「サードストップ!」

コーチャーが指示を出す

ワンアウト一三塁

「タイムお願いします!」

そう告げてタイムをもらう

「なぁ、次四番だぜ?」

「う〜ん!まぁゲッツー狙いしかないかぁ…」

「ゲッツー狙うけど、四番は…」

そう四番の原はキープレイヤー

何するか分からない…

参ったね!

「伝令!四番の原は長打力ないって…」

長打力ない…

「マジかよ!じゃぁなんで…」

「分からない…、山口が言うには…」

四番は長打力ないと言ってるらしい…

多田も長打力はあんまりなそうだけどな

「て事はさ、多田みたいに打率がいいんじゃ…」

じゃあ前進守備で十分だな

長いタイムが終わり、守備位置につく

その時だった

「良いもん見してやるよ!」

原はそういった

「あっそう!」

(じゃあ見してもらおうじゃないか!)

木田は振りかぶって投げた!

シュルルル!

カキーン!

「うわ!ショボ!」

ピッチャー前かよ!

フルスイングの割には飛んでないな…

木田はボールをとって、ホームへ投げる

「速い…!」

タッチが間に合わない!

「セーフ!」

ホームはセーフ!

一塁に投げる

「セーフ!セーフ!」

簡単に一点が入ってしまった…

原は長打力が点でない

だが…

その長打力を上回る、巧打力、走力がある

油断していたな…

(待て!足は速いんだよな…)

木田にサインを送る

シュッ!

「!?」

一塁に送球!

原はかなりオーバーリードをしているのでアウトになった

「吉野!ホーム!」

なんと二塁にいたあの男が三塁をけり、ホームに突入する

間に合うか…!?

ランナーは滑り込む!

一塁から送球!

ズサァァァ!

周りが土ボコリでいっぱいになる

「セーフ!」

二点目…

いきなり二点も…

とにかくツーアウトは取った

あんまり木田に影響無いようにリードするしかない!

六番は三振でなんとか切り抜けチェンジに


二回の表

「木田!大丈夫か?」

「な〜に!初めてのマウンドだから、ちょっとだけ緊張してるからな」

大丈夫そうだな…

バッターは多田から

何とか早い回の援護が欲しい!

バッターボックス内

「お願いします!」

一礼し打席にはいる

その時だ!

スッ!

「けっ敬遠!?」

まさか…

ここで敬遠かよ…

まぁ一塁に行けるなら良いけど…

今後敬遠が続くなら…

間違いなく負ける

「フォアボール!テイクワンベース!」

多田は不満そうに一塁に向かう

「さて…サイン出すかな?」

山口はパッパッとサインを出す

(ふ〜ん!んじゃお構いなく…)

「何出したんすか?」

みんなが聞く

「盗塁、多田くん足速いから!」

スゴいな多田は!

バッターの吉野もサインの確認をする

(多田盗塁か…)

振りかぶって投げる!

「走った!」

キャッチャーが投げようとしていたが、間に合わないので二塁送球をやめた

「多田スゴいなぁ…」

吉野は「俺も…」と感化され、張り切る

ピッチャーは振りかぶる!

「また走った?」

サインは出ていない!

吉野はこのままでは盗塁失敗してしまうので…

(振り切る!)

カキーン!

多田は三盗セーフ!

吉野はアウト

絶好のチャンスで神奈川だ

「打てるよ!神奈川〜!」

(サインは犠牲フライか…十分狙える!)

投げられたボールをアッパースイングで打ち上げる

(ちょっと浅いか?)

でも外野の守備位置はかなり深め

これなら悠々セーフだ!コーチャーは多田に走る指示を出す

「アウト!」

レフトは深めに守っていた

なのに浅いフライに追いついた

「待て!多田戻れ!」

慌てて指示を出した

しかし多田はホームに近い場所にいて、三塁には帰れずアウト

スリーアウトチェンジである


二回の裏

俺らはチャンスを逃してしまった…

なんであのフライを…

「まさか…」

コイツら全員足が速い…

守備位置はふつうより深めに守っても、大丈夫と言うことかもしれない

まさかと思う

まさかと思うんだ!

次の回で確認して先生に報告だな…

七番八番を三振にとり、九番の大男が打席にはいる

「お願いします…」

バックスクリーンには九番網走(あばしり)と書いてある

網走…

中学のホーガン投げタイトルホルダーじゃなかったっけな?

なんでこんなやつが野球やってんだ?

(まぁ素人には変わりない高めのストレートで…)

木田の投げたボールはサイン通りミットに向かってまっすぐ…

カキーン!

「ラッライト!」

神奈川は走って打球を追う

だが、突然走るのをやめた

「ホームラン…」

明星サイドはお祭り騒ぎ…

三点差…

その後一番はバントでサード前でスリーアウトチェンジとなった



三回の表

かなりヤバい展開だ

三回で三点

俺らはまだ得点無し…

みんなのテンションが下がっているような気がする

このままではマズい

この回は七番谷山からである

早めに援護が欲しい…

みんな頑張ってくれ!



続く


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